(報告:永遠名誉董事長・下川裕治)
プノンペンからホーチミンシティへ向かうバックパッカーは、オープンツアーバスで両都市間をつなぐのが主流となっていて、ふくちゃんも何度かこのブログで取り上げています。今回僕は、これから発行される本の取材を兼ねて、主流をそれたチャウドック(ベトナム・アンザン省)経由の西回りで旅をしてみました。
プノンペンからチャウドックまでは、メコン川(前江)を船で下ります。カンボジア内戦の終結後に本格的な整備が始められたルートとはいえ、着々とレベルを上げてきており、快適な船旅ができるようになってきました。
僕が乗ったのは、プノンペンを午後1時に出る、チャウドック行きのスピードボート。片道$35(1,000Bt.)しましたが、船内では茶菓の支給があるなど、ちょっとしたクルーズ船と言ってもいい感じです。途中の国境では、カンボジア、ベトナム両国の出入国手続きを船員が代行してくれます。ベトナムへの入国の際に、空路では結構厳しく要求される出国便のeチケットも、ここでは要りません。
びっくりしたのは、ベトナムに入った後に、カンボジアの国旗を降ろしてしまったこと。他のバックパッカーからは、国境で船を乗り換えさせられたという報告も聞いていたので、同一船で行くためにそういう強行手段も取れるのかと驚いた次第です。ちなみにチャウドック市内からは国境までは10kmほどしか離れていないそうですが、船なので国境通過後も1時間近く航行したと記憶しています。
こうして、チャウドック市内中心部の桟橋に着いたのは、夕方6時過ぎでした。チャウドックからホーチミンシティまでは、ロンスエン・ミトー経由で170km、約8時間。両方合わせて、プノンペンから丸々1泊2日を要する長旅。それでも、還暦近い僕の身体には、メコンの川面の上を吹く風が心地よく感じられました。