ミャンマー内務省入国管理局は28日付で、タイとの陸上国境から入国する外国人に対して国内各地への陸路移動を認める措置を取りました。共同通信ヤンゴン支局が27日、入管当局者の話として伝えたものです。
ミャンマーでは、外国人旅行者の出入国を事実上空路に限定する鎖国政策がネウィン社会主義計画党政権時代から続いてきました。タンシュエ軍政当局時代になってから、一部の国境で陸路出国が例外的に認められていたものの、2008年の長井健司氏殉死事件でそれもできなくなり、陸路国境では国境周辺の数キロ以内に限って有効のボーダーパスを使って日帰りで出入国する状態となっていました(前記事「メソットからミャンマーへ」参照)。
今回の規制緩和で、事前にビザを取得している外国人旅行者は陸路国境でビザの確認を受けることにより入国手続きができ、入国後にヤンゴンやマンダレー行きの国内線航空便を買わせられることもなくなります。バンコクとヤンゴンを直通で結ぶ特急バスの運行実現にも道が開かれます。
対象は、以前から開放されてきた次の4カ所です。
・ミャワディ(カレン州ミャワディ県) - メソット(ターク県メソット郡)
・タチレク(シャン州タチレク県) - メーサイ(チェンライ県メーサイ郡)
・ティーキー(タニンダーリ管区ダウェイ県) - サイヨーク(カンチャナブリ県サイヨーク郡)
・コトーン(タニンダーリ管区コトーン県) - サパンプラ(ラノーン市)
なお、バングラデシュのビザを事前に用意していても、国境地帯(ラカイン州マウンドー県)が未開放地域となっているため、陸路での出国はできません。また、日本国民は中国へのビザなし渡航が認められていますが、モンラー検問所(シャン州チャイントン県)から中国へのビザなし出入国ができるかについては確認されていません。