2013年6月11日火曜日

Peach関東上陸!国際線の二大拠点同士を結ぶ

Peach(MM=APJ、大阪府泉佐野市)は、10月27日からの冬スケジュールで関空~成田線に就航することを決定。井上慎一CEO(社長に相当)が11日午後、東京・芝の増上寺で記者会見して発表しました。

《10月27日から有効》
MM111 KIX0710~NRT0835 DAILY
MM119 KIX1900~NRT2025 DAILY
MM112 NRT0905~KIX1035 DAILY
MM120 NRT2055~KIX2225 DAILY

(機材はエアバス320 エコノミークラスのみ180席)

羽田・成田・伊丹・関空・神戸と5つの空港が絡む首都圏対近畿圏の輸送では、PeachのようなLCCがなかなか入り込めない基盤が築かれています。Peachの親会社、ANA(NH)とジェットスタージャパン(GK)の親会社、日本航空(JL)は羽田~伊丹線で盤石の地位を確立し、スカイマーク(BC)も羽田~神戸線を毎日5便運航しています。また羽田~関空線には、スターフライヤー(7G)が毎日5便を運航、ANAとのコードシェアも行っています。

そんな中で、Peachが成田空港発着を選択したのは、羽田の発着枠がなかなか確保できないことに加え、成田国際空港会社がLCCに対して有利な体制作りをしたことに要因の一つがあるとみられています(前記事「成田のLCCは2タミで決定」参照)

一方で、Peachが関空から成田に発着することは、対首都圏で格安航空を利用する需要を開拓することだけでなく、Peach自社便によるその先への乗り継ぎ需要、さらには成田を最大のハブとして欧米などの長距離線を展開するANAグループの国際線への接続をフォローする狙いもあります。井上CEOは

「関西発のイノベーションで首都圏の空を変えたい。関東からも安い運賃を活用して九州やアジアへの乗り継ぎをしてもらいたい」

と述べましたが、ANAも成田~伊丹間に毎日2便を運航しています。これに加えて関空発着の選択肢ができることで近畿圏発着の国際線接続客が成田に行きやすくなり、また夜発便では互いの着地に前泊して翌朝の国際線に乗り継ぐ乗客を取り込むこともできます。

また、関空は成田と違って24時間運用をしていることから、羽田発のタイ国際航空(TG)661便が満席になった場合、成田をPeach夜便で発って深夜関空発のTG673便に乗り継ぎバンコクに向かうという選択肢ができるようになります。