(この項、アンポンタン・ポカンさん/東京都 からの投稿です)
在タイ日本人社会に大きな衝撃を巻き起こした2008年の棚橋事件から、もうすぐ5年の歳月が流れようとしています。別々に審理されてきた犯人グループの2人、浦上剛志(35歳、大阪府出身)、森宏年(35歳、愛知県出身)の両被告の裁判、いよいよ幕を閉じる日がやってきました。
3月12日、最高裁判所(東京都千代田区)で浦上被告側の上告を棄却する決定が出されました。これにより、1審・岐阜地方裁判所(岐阜市)から2審・名古屋高等裁判所(名古屋市)と維持されてきた無期懲役の判決が確定することになりました。
(董事会から)
事件発生以来、アンポンタン・ポカンさんの全面的なご協力で続けてきた棚橋事件関連の報道に、これでようやく一区切りをつけることができます。
上告棄却のニュースは、大手の報道機関でもまったく取り上げられなかったようで、死刑・無期懲役関連の記録をまとめた『漂泊旦那の漂泊世界』というHPで確認が取れました。2008年8月の事件発生から4年7ヶ月、2009年4月の別件逮捕からでも3年11ヶ月ぶりの判決確定。国王嘆願や恩赦によって原判決が終身懲役の受刑者でも15~20年程度での本釈放があり得るタイと違い、刑務所内でどんなに優秀な更生評価を得たとしても無期囚ゆえに仮釈放が見込めないことすらある「厳罰化傾向」の日本で、浦上被告はこれからいつ終わるともわからない獄中生活を送ることになります。
それからの事件関連の記事では、浦上被告の逃亡、別件逮捕、自白寸前から一転しての全面否認。そして史上初の国外犯事例に対する1審裁判員裁判と、まさに激動の5年間を、アンポンタン・ポカンさんと董事長ふくちゃんの2人で切り取ってきたつもりです。
今回の浦上被告の判決確定で、棚橋事件関連の報道は一応の区切りを迎えますが、アンポンタン・ポカンさんからは別の連絡もいただきました。『外こもりのススメ』で協力者の一人だった仲間のある男性が、先月この世を去った、というより自ら命を絶ったとのこと。せめて、天上の棚橋さんに上告審の判決書を持って行ってほしい、そう願っていると仰っておられました。
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