ANA(NH)が大手クレジットカード会社と提携して発行している「ANAカード」に今年、新たな種類が仲間入りしました。東京メトロ(正式社名:東京地下鉄、東京都台東区)と提携した一体型PASMO搭載タイプ『ANA To Me CARD PASMO(別名ソラチカカード)』。しかし、ANAカードスーパーフライヤーズクラブ(SFC)を既に持っていらっしゃる方は、ソラチカカードを申し込むと非常に不利になります。一回立ち止まってよく考えてください。
ソラチカカードの国際ブランドはJCBだけ。カード発行会社のジェーシービー(東京都港区)は、1人の会員が複数のANA JCBカードを所有することはできないと定めています。従って、既にANA JCBカードないしはSFC JCBカードを所有している方が、追加としてソラチカカードを申し込み、両方のカードを引き続き使うことはできません。
ソラチカカードのPASMO機能には、ANA VISA Suicaカードと違ってPASMO定期券を搭載することができます。関東圏内で通勤される方には最大の魅力ですが、SFCを既に持っている出張の多い方には、これが逆に仇となります。
ANA VISA Suicaカードと同様に、ソラチカカードのPASMOも個人単位で管理されるため、家族会員の設定がありません。またカードのグレードも一般カードのみとなっています。つまり、ソラチカカードしか持っていない人はSFCの入会条件とされるワイドカード以上のグレードに上げることができません。ということは、AMCプラチナを達成してもSFCには入会できず、排除されてしまうのです。
ちなみに、ソラチカカード会員がAMCプラチナを達成してSFC JCBカードへの切り替えを希望した場合は、ソラチカカードに付随するPASMOカード・定期券が失われます。SFC JCBカードが到着した後に、最寄りの東京メトロの定期券うりばに今まで使っていたソラチカカードを持って行き、PASMO部分を分離してもらいます。
ただし、三井住友発行でもANA VISA Suicaカードを持っている方は要注意。先述の理由で、SFC VISA Suicaカードというのはありません。このため、併せ持つSFCカードの選択肢が同じ三井住友のマスターカードかアメックス、ダイナースに限られてしまいます。
なお、日本航空(JL)のJALグローバルクラブ(JGC)では、 このようなことはありません。JALカードでPASMOのひも付けが可能なのは『JALカードOPクレジット』『JALカードTOP&ClubQ』ですが、どちらも記名式PASMOを別に買ってきてオートチャージの登録をする、いわゆる「親子型」であるためです。