コンソン(特急バス公社、チャトチャック区)は14日、初のカンボジア直通国際特急路線となる「モーチット2~シェムリアプ」「モーチット2~プノンペン」両路線を開設すると発表しました。12月29日(土)スタート予定で、シェムリアプ線は毎日2往復、プノンペン線は毎日1往復が運行されます。
モーチット~シェムリアプ線は両都市を朝6時と午後4時に出発する毎日2便体制。モーチット~プノンペン線は朝7時発の毎日1便となります。運賃はモーチット~シェムリアプが750Bt.またはUS$25、モーチット~プノンペンは900Bt.またはUS$30。
(画像1:モーチット2で発車を待つカンボジア直通用のバス)
タイは左側通行(右ハンドル)なのに対し、カンボジアは右側通行(左ハンドル)。通行方式の違いもあり、これまで両国間を直通するバスはありませんでした。
(画像2:バンコク中心部に乗り入れたカンボジアナンバーの乗用車。数年前までは考えられなかった)
タイではカオサン・バンランプーからシェムリアプ行きのツーリストバス、カンボジア側ではオープンツアーバス最大手のキャピトルツアー(プノンペン市)がプノンペンとシェムリアプからバンコクまで通しの乗車券を販売していますが、いずれもポイペトで乗り換えが必要です。
(画像3:カンボジア側のバスは左ハンドル。韓国・ヒュンダイ製の「ふそうモドキ」が幅を利かせる)
インラック・チナワット首相は数年前に一度頓挫したカンボジアとのビザ共通化政策を将来のASEAN共同体構想も視野に入れて再び俎上に上げる方針(後記事「何が何だかわからない共通ビザ制度」参照)とされ、その実現を先取りする形で、外務省から運輸省を通じてコンソンに路線新設を指示したとみられます。
タイ・カンボジア両国の国民は2010年12月からビザなしで15日間の相手国在留が許可されていますが
(前記事「タイとカンボジアがビザ相互免除」参照)、外国人は現時点ではカンボジア入国にビザが必要です。このため、外国人旅行者がバンコク発の国際特急バスに乗るには在バンコクカンボジア大使館(ワントンラン区)に行くか、代行屋に頼むなどして事前にビザの発給を受ける必要があります。
ただし、在外のタイ大使館でACMECSシングルビザを発給され、タイ側に先に入国した外国人はカンボジアビザの追加取得は不要。ポイペト国境検問所の入国審査場でUS$20を支払い、30日間の在留許可を受けます。逆に、カンボジア側発行のACMECSビザで入国した後にプノンペンまたはシェムリアプからバンコク行きに乗った方は、ロンクルアの検問所で1,000Bt.を支払って60日間の在留許可を獲得できます。
なおプノンペン、シェムリアプ発のバスは、タイにビザなし入国が可能な国の国民であれば正規観光ビザやリエントリーパーミットがなくても乗車できます。
コースはタイ側が現在運行されている
[921]モーチット2~オンカラック~ロンクルア市場線と一緒。ロンクルア市場すぐ横の国境検問所を車に乗ったまま抜け、そのままポイペトからカンボジアに入国。国道5号線を東へと走り、シソポン(バンテアイミーチャイ市)で分かれます。シェムリアプ行きは整備なった国道6号線に入り、まっすぐ東へ。一方、プノンペン行きは5号線を南下し、トンレサップ湖を左に見ながら首都プノンペンを目指します。
(画像4:ロンクルアの国境検問所。車で抜けられるように拡張されている)
プノンペンまで所要11時間、シェムリアプでも7時間の長丁場となるため、トイレ付き40人乗りの1等特急をベースにした車両が投入されます。
https://www.supportasia.com/2012/12/blog-post_15.htmlタイ~カンボジア国際特急バス運行開始へ