エイチ・アイ・エス(H.I.S. 東京都新宿区、東証1部上場)は4日、子会社としてタイ国籍のチャーター専門航空会社「アジアパシフィックエアラインズ」を設立すると発表、タイ商業省商業開発局(DBD、ノンタブリ市)で基本定款の登記を完了しました。
アジアパシフィックエアラインズは登録資本金5億4,000万Bt.。H.I.S.日本本社が持分の49%を保有し、残りはバンコク・プーケットなどタイ国内の支店を運営する現地法人「HISツアーズ」(クロントイ区)が39%、タイ人の個人投資家が12%でトータル51%とし、タイ国籍航空会社の外資規制を一応クリアします。
2011年はビジネスエア(8B)、今年2012年はジェットアジアエアウェイズ(JF)と、どちらもタイ人主導の経営をしている会社が実際の運航を行いましたが、ゆくゆくはH.I.S.グループ内に運航会社を持つという構想が、当初からありました。
H.I.S.はスカイマーク(BC)の設立時に筆頭株主として新規参入を主導した経緯があり、欧米でも現在ほど浸透していなかった格安航空会社(LCC)のスタイルをいち早く導入したり、H.I.S.の商品開発力を利用した挑戦的な政策を打ち出すなどして航空業界に風穴を開けてきました。今回のアジアパシフィックエアラインズでも、本格航空会社のようなきめ細かいサービスを必要としないチャーター専門会社であれば、スカイマーク設立当初のスタイルを生かせるとH.I.S.は判断したものです。
ではなぜ、タイ国籍なのか。その背景には、日本における過去のチャーター専門航空会社の失敗例に加え、ASEANの他の国では外国人主導の航空会社を設立できる環境が整っていないところもあるという理由があります。
ではなぜ、タイ国籍なのか。その背景には、日本における過去のチャーター専門航空会社の失敗例に加え、ASEANの他の国では外国人主導の航空会社を設立できる環境が整っていないところもあるという理由があります。