南海電鉄(大阪市、東証1部上場)は、大阪・なんばと関西空港駅を結ぶ有料特急「ラピート」に新たな割引切符を導入し、事実上の値下げとする政策を打ち出しました。
12月9日から利用が可能になる『関空トク割ラピートきっぷ』がそれ。堺駅(堺市)よりなんば寄りの各停車駅から関西空港までの利用が可能で、乗車券と特急券をセットにして1,100円で販売します。正規料金でなんば~関西空港間を利用すると、乗車券890円+特急券500円の合計1,390円なので、差し引き290円のお得。実質、特急料金が210円に値引きされるということです。
なおスーパーシート(JRのグリーン車に相当)を利用するバージョンもありこちらは1,300円。乗車券890円+特急券500円+スーパーシート料金200円の合計1,590円からやはり290円の値引きです。割引は『ラピートきっぷ』の他に『Peachなんばきっぷ(特急券付き)』も対象。従来1,250円だった『Peachなんばきっぷ』は『ラピートきっぷ』より100円安い1,000円に値下げされました。乗車券のみが800円ですので、実質、特急料金は200円に値引きされることになります。
ただし、『神戸アクセスきっぷ』『奈良アクセスきっぷ』『関空ちかトクきっぷ』といった他社線連絡の割引乗車券や、スルッとKANSAI磁気カード、PiTaPa、ICOCAで自動改札機を通過した後に特急券だけを購入するケースでは、通常の特急料金を払う必要があります(『京都アクセスきっぷ』だけは300円に割引)。
特に『Peachなんばきっぷ(乗車券のみ)』は十二分に注意しないといけません。乗車券だけで利用できる空港急行に乗るつもりで購入後に気が変わって、ラピートの特急券を追加購入すると通常料金で、合計1,300円となってしまいます。
似たような事例で、なんばから市営地下鉄に乗り換えて梅田方面に向かうお客様は尚更注意が必要です。空港急行に乗るのであれば『関空ちかトクきっぷ』が有利で980円ですが、『ちかトクきっぷ』でラピートに乗ると特急料金500円で合計1,480円。これに対し、『ラピートきっぷ』を購入すると1,100円+なんば~梅田間の乗車料金(運賃)230円で、合計1,330円。『Peachなんばきっぷ(特急券付き)』なら合計1,230円。ラピート利用と初めから決めているのであれば、連絡乗車券を買わないほうが有利になります。
ちなみに、関空からなんば到着後に市営地下鉄線で複数回の乗車を予定されているのであれば、 ラピートきっぷではなく『大阪出張きっぷ』がお得。ラピートきっぷの値段にあと400円の追加で、地下鉄部分が1日乗車券『エンジョイエコカード』に変わる計算です(前記事「『大阪出張きっぷ』で快適に大阪市内へ」参照)。
同時にこれまで販売していた『ラピート得10回数券』『得ダネ往復券』は『ラピートきっぷ』よりも割引率が低くなるため発売終了。大阪市内の金券ショップなどで『得10回数券』のバラ売りを購入することもできなくなります。