ANA(NH)は主に国内向けに配布している公式時刻表を、この10月号から一部リニューアルしました。判型が変更された2008年1月号以来、4年10ヶ月ぶりの大きな改訂です。
改訂後に配布された10月号では、これまで紙面の3分の1以上を占めていた運賃関連の記述がなくなり、全64ページ。その前の9月号(全128ページ)に比べてちょうど半分の薄さになりました。
1か月に1回の発行が原則の紙の時刻表では、発行後に割引運賃の価格変更や新たな割引運賃の設定があっても対応できません。例えば那覇~宮古線では、スカイマーク(BC)の格安運賃を見ながら特割や旅割の運賃を細かく調整しているため、公式時刻表に掲載した申請当初の運賃額が全く使い物にならなくなることもしばしばです(前記事「修行僧追放!?JALに乗らないと上級会員への道が…」参照)。
また、旅割や特割では搭乗日と購入日、便によって細かく運賃が変わり、紙面ですべて対応していたのでは分量が多くなってしまうというデメリットがあります。毎号ほとんど変わらない機内や地上サービスに関する部分は、別に『ANAサービスガイド』という本を作っておけば半年ないし1年に1回程度の改訂で済み、月刊の時刻表で毎号繰り返し紙面を割く必要がなくなります。
そこでANAでは、公式時刻表は運賃に比べて変更の可能性が少ない運航ダイヤの紹介に重点を置いた編集方針に改めることを決定。機動的な対応が必要な運賃はHPで確認してもらう、またサービスの紹介は一般向けサービスガイドを新たに作成し空港で配布することにしました。これら一連の変更によってANA社内での紙の消費量を減らし、「エコ・ファースト企業」としての責務を果たしていくというのが今回の最大の狙いであるといえます。