2012年9月20日木曜日

中国東方航空の仙台就航、一度は決定も延期に

中国東方航空(MU)が10月から、上海浦東~仙台線の運航を開始する方向で動いていることが明らかになりました。仙台で発行されている朝刊紙、河北新報が伝えたものです。実現すれば中国国際航空(CA)に次いで同路線2社目。3.11東日本大震災と福島第一原発事故で再開の見通しが立たない上海浦東~福島線の代替と後継も期待されています。

《10月18日から有効》
MU290 SDJ0900~PVG1100 月・木・金・日曜運航
MU289 PVG1550~PVG1950 水・木・土・日曜運航

(機材はエアバス320 ビジネスクラス8席、エコノミークラス150席)

東航の浦東~仙台線の魅力は、一つに上海をハブ空港とすることによる便数の多さがあります。
国航は、自社のスーパーハブとなっている北京・首都空港から浦東空港を経由して仙台に向かう形。確かに浦東空港と仙台の間は直行になるものの、便全体としては北京から来る便である以上トータルの運航時間が長くかかり、便数も限られてきます。しかも東日本大震災で1年間まったく国際定期便が飛ばせられなかったという需給の変動も相まって再開には慎重にならざるを得ません。それが現在の週2便という便数に表れています。

しかし、東航も東航で東北への新路線はそう簡単にゴーサインを出せるものでもありませんでした。東航は震災前日まで、福島空港への直行便を週2便運航していましたが、福島第一原発事故による放射線への警戒から休止となり、支店も一時撤退。この素地があるからこそ、週4便での運航開始に踏み切れたという見方もできます。福島線がなければ、週2便での運航になっても全然おかしくはありませんでした。

《尖閣問題のあおりで見送り》
ところが東航は9月18日、予定されていた10月18日からの就航を延期すると宮城県庁に通告してきました。日本・中国・台湾が領有権を争っている尖閣諸島(沖縄県石垣市)が9月11日付で国有地となったことに中国国務院(日本の内閣に相当)が猛反発し、中国大陸での抗日(反日)感情が高まる中で中国人旅行者のキャンセルが殺到。需要が見込めないと判断したものです。

《福島からの撤退も決定》
また、東航は10月に入って、福島支店(福島県郡山市)も閉鎖すると福島県庁に通告しました。これによって浦東~福島線の再開も事実上なくなりました。