2012年8月1日水曜日

京急空港線「蒲田飛ばし」解消へ

京浜急行電鉄(東京都港区、東証1部上場)は、10月21日に実施する全線白紙ダイヤ改正の概要をまとめ発表しました。改正では京急蒲田駅(東京都大田区)を中心に本線の大田区内全線と空港線の4分の1強が高架線に変わり、空港線電車の増発が可能になるのですが、羽田空港から品川・都心方面への電車のほとんどが快特に変更されるため、空港線内の途中駅から都心方面への通勤客と、エアポート急行が停車している大田・品川区内の3つの駅を利用されている方にとっては羽田空港の間で一部時間帯を除き乗り換えが必要となり、実質改悪になってしまいます。

改正では、日中時間帯に都心方面への快特を10分間隔(そのうち京急蒲田駅を通過するエアポート快特成田空港行きが40分に1本=京成線内アクセス特急)で運転。それと同時に、横浜・新逗子方面へ直通するエアポート急行も10分間隔に増強します。

2年前の羽田再国際化の際、京急は都心方面へエアポート快特とエアポート急行を交互に20分間隔で運行するダイヤを組みました。それに横浜方面からのエアポート急行3本を加えても京急蒲田駅に停車する空港線電車は1時間あたり6本しかなく、松原忠義区長ら大田区役所上層や区議会の一部議員からは「蒲田飛ばし」との激しい怒りを買いました。しかし当時は京急蒲田駅の高架化が上り線だけ、つまり半分しか完成しておらず、京急蒲田~糀谷間の空港線は複線相当の2本の線路を品川方面につながるものと、横浜方面につながる線路、それぞれ別々に取り扱う「単線並列形式」で運行するとしたため、列車を増発することができなかったのです。

10月21日に京急本線下り線が高架に切り替えられると、京急蒲田~糀谷間は元の複線形式に戻るため、空港線全線で本線と同等の運行を行うことが可能になって京急蒲田駅の扱い容量に余裕ができます。これを受け、会社側では京急蒲田駅に停車する品川方面への快特を増やす措置に踏み切るという訳。羽田国際線ターミナル、国内線ターミナル両駅から京急蒲田へは、従来の約2倍の1時間に10ないし11本の電車が利用できる計算になります。

京急から発表があった直後、松原区長が記者会見し

「羽田空港への入口に位置し本線と空港線の結節点でもある京急蒲田駅の重要性を踏まえた改正と理解した。蒲田停車の空港線快特復活を歓迎する。エアポート快特の存在意義も明確になり必要最小限の本数で存続することは受け止める」 

と述べました。