タイエアアジア(FD)は10月1日付で、バンコクの発着空港をスワンナプーム空港からドンムアン空港に変更することを決定しました。グループ内の機材繰りの関係で、AirAsia本体(AK)とインドネシアエアアジア(QZ)も同様に移転。また将来、エアアジアジャパン(JW)がタイ就航を決めた場合も、ドンムアン空港発着となることが事実上確定しました。
(画像:AirAsia機の垂直尾翼の陰にTG機の姿。これも9月で見納め…スワンナプーム空港にて撮影)
AOT(空港公社)は、スワンナプームにタイ国際航空(TG)など本格航空会社を集め、ドンムアンは格安航空会社(LCC)の拠点として利用していくという当初構想を持っていました。しかし、2006年の完成当初はまだタイエアアジアの便数も少なかったため、スワンナプームに定期便全便を集約する方針に転換。2007年からノックエア(DD)とオリエントタイ(OX)がドンムアンの利用を再開したものの、スワンナプームは東南アジア屈指の混雑空港となってしまいました。滑走路を4本にする将来構想があるもののなかなか着手に至らず、それに加えて地盤沈下の影響もあり、完成からわずか6年で滑走路の本格的な補修工事を行わざるを得ない状況です。
一方、タイエアアジアは状況が許せばドンムアンへの移転を望む意向でした。しかし、AirAsiaグループとしての国際線を運航していること、AirAsia本体やインドネシアエアアジア運航の国際便をどう処遇するかといった問題があり、AOTは解決を先送りにしていました。
そこへ今回の補修工事が決定し、タイエアアジアでは
「スワンナプーム到着便が上空で待たされる分の燃料コストを考えると、ドンムアンにスーッと降りられる方が全然良い」
と判断、AOTや運輸省と調整を行っていました。そして、オリエントタイがドンムアンへの復帰を決めたのを受け、タイエアアジアもドンムアン移動を正式に決定。クアラルンプールからのAK便で飛んできた飛行機がハノイ行きのFD便になることもあるという、AirAsiaグループ全体を一括りにした機材政策を継続するため、グループ各社も一斉に移動することになったのです。

例えば、現在は可能な
羽田(JL033またはNH173)スワンナプーム(FD3770)ヤンゴン
という同日乗継は不可能になり、羽田発深夜便で午前中にヤンゴンへ乗り継ぐのであれば選択肢が
羽田(TG661)スワンナプーム(TG303)ヤンゴン
または
羽田(JL033またはNH173)スワンナプーム(PG701)ヤンゴン
に限られてしまいます。
タイエアアジアでは、10月1日以降の搭乗便で他航空会社からの乗継が不可能になるなどの理由で変更や払い戻しを希望する顧客に対しては、搭乗日の前後1週間以内への変更か通常一切できない航空券の払い戻しを認める措置を取ります。払い戻し申請は、9月22日(土)までに行う必要があります。