2012年1月13日金曜日

あの超割が新たな形で帰ってくる!

ANA(NH)と日本航空(JL)は、4月以降の国内線運賃を順次、国土交通省に届け出ています。今回目玉となるのは、搭乗日の55日前までに予約・購入することを条件とした早期購入割引運賃の導入。10年前、割引率50%を超える運賃の先駆けとして人気を博した「超割」「バーゲンフェア」が、2年ぶりにより使いやすくなって復活します。

超割は、2000年にANAが先に導入。閑散期を中心とした指定の期日の搭乗を、会社が定める指定の期間内に予約し、かつそこから1週間以内に航空券を購入することで、全便全路線一律10,000円で販売するというものでした。ANAが最初に発売した時は、予約センターの電話がつながりにくくなるほどの好評、その一方で大混乱となり、以後専用ダイヤルでの受付に変更されたという逸話もありました。それから数か月を経て日航は2001年春、全路線一律5,000円の「創立50周年記念運賃」を出してきたのをきっかけに正式に追随して「バーゲンフェア」を発表。ANAは9.11直後の太平洋線で「超割GET」、2002年には国内線で「1日乗り放題運賃」を出さざるを得なくなり、2期連続の通期赤字を計上。企業体力を消耗する結果となってしまいました。

今回両社が導入する「旅割55」「スーパー先得」は、それとほぼ同じシステム。会社側が指定する数日間の搭乗期間がなくなり、3月25日以降であれば毎日利用可能ですが、搭乗日2ヶ月前の発売開始日から、運賃プランの締め切りとなる55日前までは、わずか5日間しかありません。この5日間のうちに予約・購入の両方を済ませることが条件となります。
両社のマイレージ会員に対して先行予約を行うのも、超割のシステムを応用したものです。この先行予約が、6月30日までの分をまとめて1月25日(水)から受け付けるとのことで、最大5ヶ月先までの仮押さえができるということになります。先行予約で仮押さえした分は、発券可能になる2ヶ月前から3日以内に支払いをして確定させるシステム。超割ではANAプレミアムカスタマー(AMC上級会員)向けの最先行仮押さえをしても発券まで最大10日間しかなく変更も困難を極めました(その分搭乗当日出発時間の早い便への振り替えができました)が、旅割55は当日の便繰り上げができない分、先行予約受付から発券期限までの間であれば何回でも仮押さえの変更が利く点が、超割と比べて改善されています。

 運賃は、例えば羽田~福岡線では便によって11,800円~15,200円と開きがあります。超割では10,000円から後に最高で13,000円まで上がっていましたので、それに比べれば安くなる便もあるものの全体的には上昇傾向にあります。

(画像:2009年の「定額給付金記念超割」の告知。当時の羽田~福岡間は12,000円だった)

《那覇~宮古線は特に注意が必要》
ただし、両社とも沖縄県の離島幹線の一つである那覇~宮古線ではスカイマーク(BC)との激しい運賃競争が行われており、SKYが週単位で運賃を発表してくるのに合わせて見直されています。この場合、当初の発表運賃(6,200円~9,500円)で旅割55を購入して見直し後、45、28といった他の種類の旅割(2,800円~3,000円)や特割(5,200円~7,200円)の方が運賃が安くなったとしても差額の返金はなされません。同路線が絡む旅程では旅割45や55が意味をなさない可能性が高く、ANAのプレスリリースやSKYのホームページをこまめにチェックしたうえで旅割28の購入を検討するなど、状況をよく見極める必要があります。
またJALグローバルクラブやANAカードスーパーフライヤーズクラブを目指そうとする「マイル修行僧」が那覇~宮古線の旅割、先得に目を付け1日何往復も乗るプランを使ってくる可能性が考えられ(前記事「修行僧追放!JALに乗らないと上級会員への道が」参照)、激しいチケット争奪戦になることを覚悟しなければなりません。