2010年11月12日金曜日

在ビエンチャンタイ大使館のビザ審査、厳しくなる

外国人がタイで正式に仕事をするには、ノンイミグラントBビザとワークパーミットが必要です。シンガポールでの申請が簡単だと言われてきましたが、ラオスのビエンチャンで申請する人もいます。しかし、10月1日から必要書類の審査が厳しくなり、二度三度と訪れてようやく発給にこぎつける例が出ています。バンコクからのビザ取りツアーでも取得失敗が多発。そこで今回は、在ビエンチャンタイ大使館でのノンイミグラントBビザの取得についてまとめます。

(画像:在ビエンチャンタイ大使館が作成した必要書類一覧。文書名のタイ語表記もあるので参考にしてください)


《必要書類は全部で14点》
在ビエンチャンタイ大使館査証部では、ノンイミグラントBビザを申請する外国人に対し、パスポートの原本以外に次の15点の書類を出すように求めています。

1.ビザ申請書(こちらをダウンロードして両面印刷し全項目記入。Adobe Acrobat Professional またはイラストレーターCS2以降を使える人は自分のデータを編集してから印刷し最後にサインする。写真2枚貼付)
2.パスポートの個人情報のコピー1枚(申請者本人が直筆でサインすること)
3.最終学歴校の卒業証明書(英語)のコピー(申請者本人が直筆でサインすること)
4.雇用契約書のコピー(労働省所定の書式を使いタイ語で作成すること。書式はワークパーミット申請書と一緒に渡されるので所属会社の顧問弁護士にやってもらう)
5.会社名義の招聘状(所属会社において英語で作成)
6.所属会社の商業登記完了証明書のコピー(商業省商業開発局=DBDから取り寄せること)
7.所属会社の社名登録証のコピー(DBDから取り寄せること)
8.所属会社の株主名簿のコピー(DBDから取り寄せること)
9.所属会社の定款のコピー(DBDから取り寄せること)
10.所属会社の直近1期分の確定申告書(ภ.ง.ค.50、ภ.พ.30)のコピー(会社または顧問弁護士が控えてあるものをコピーする。ない場合は最寄りの歳入事務所、または財務省直接税局から取り寄せること)
11.所属会社のVAT(付加価値税)納税事業者登録証(ภ.พ.20)のコピー(会社に掲示してあるものをコピーする)
12.所属会社の直近1期分の決算書(商業省に提出したもの)のコピー
13.所属会社に現在在職している外国人従業員のリスト(会社側で作成)
14.所属会社に現在在職しているタイ人従業員の源泉徴収関連の書類(ภ.ง.ค.1)のコピー(会社または顧問弁護士が控えてあるものをコピーする。ない場合は最寄りの歳入事務所、または財務省直接税局から取り寄せること。新規設立会社や前年度赤字決算などで取得できない場合は不要とされることもある)
15.ワークパーミットの事前審査確認書(WP3)のコピー(労働省から取得のこと)、ワークパーミット既得者はその原本

さらに、申請書とパスポートのコピー、卒業証明書を除く11点には、所属会社が銀行取引に使用する公印(社判)を押し全ページにサイン権者(日本の代表執行役に相当)全員が直筆でサインをする必要があります。いずれか1点でも欠けたり、違う書式の書類を持ってきたりすると受理されません。

今年9月以前は、14.のWP3が欠けていても申請を受理していましたが、10月以降はWP3またはワークパーミット原本が絶対必要になっています。会社側でWP3を取得するのに時間がない場合は、在シンガポールタイ大使館査証部に向かったほうがより速くビザを受けられます。また、BOI(政策投資委員会)の投資恩典を持っている企業に入社された方は、バンコク・チャムチュリスクエアのOSOS(ワンスタートワンストップ投資促進センター。前記事「BOIワンストップサービス、中心街へ」参照)でノンイミグラントBビザとワークパーミットの手続きが同時に進められますので、在外の大使館にBビザだけを取りに行くのは余程緊急の事例に限られます。

《現地で失敗発覚!切り替え申請も困難に》
ノンイミグラントBビザ希望者が、万が一ビエンチャン到着後に書類不足を指摘された場合、所属会社に連絡してFAXで大使館査証部宛に足りない書類を送るという方法もありましたが、10月以降、自力で申請に行った場合は事実上できなくなっています。ビザ取りツアー会社でもこの手法を使うのは難しくなっているようで、ある会社ではバンコク出発時に全員の持参書類をチェックして明らかに書類不足の場合はキャンセル料なしで出発を断念してもらう、在留許可期限が迫っているなどの理由でどうしても行かなければいけないとか現地到着後の審査で書類不足が判明したとかいう事例ではガイドの判断で正規観光ビザ(ダブルエントリー)での申請に切り替えさせることもあります。

しかしその場合、以前から指摘されている観光ビザの取得制限枚数というリスクが起こってきます(前記事「無料ビザを取り続けられないリスク」参照)。特に制限枚数ギリギリの方が就職活動をして所属会社が決まった場合などは、書類不足でBビザを不受理になり、正規観光ビザに切り替えて申請しようとしても過去の発給枚数をチェックした結果、それすらも不受理になることがあります。もしそうなった時は、ビザなし渡航(15日)でいったんタイに戻り、足りないと指摘された書類を取りに行かなければならなくなります。