2009年11月21日土曜日

日泰ビデオ摘発、しかし閉店を回避!!

 在タイの駐在員社会向けに日本のテレビ番組の録画物をレンタルしていた「日泰ビデオ」(ワッタナ区)が20日、首都圏警察から摘発を受け、営業を停止しました。

 調べによりますと、日泰ビデオは日本から配送されてきた原本を元に日本のテレビ番組をDVDにコピー。本店(スクンビット通りソイ33/1)とシーロム店(タニヤプラザ3階)で駐在員を中心とする在タイの日本人を相手に、日本のレンタルビデオと同じ形式で貸し出していました。
 日泰ビデオはホームページやカタログで「日本放送番組著作権協会認定」などと書き、適法性を主張していましたが、そのような団体は存在しないことが董事長ふくちゃんの調べで明らかになりました。


 2005年以降はインターネット経由の転送配信(前記事「日本のテレビ番組、海外転送は不可能?」参照)やロケーションフリー、「KeyHoleTV」などのP2Pテレビを導入する家庭が増えたため、DVDによるレンタルの需要は確実に減少していました。そこで日本の映画を取り扱うようになり、さらにリーマンショックやスワンナプームショックで主要顧客だった日本人駐在員の帰国が相次いだため、事態を打開すべく韓国や欧米の映画にまで手を出していました。
 この映画が直接的な問題となった模様。今月頭に到着した原本に対して権利を持つ映画会社から通報があり、首都圏警察本部は、本店を所管しているトンロー警察署(ワッタナ区)を差し置き、経済犯罪取締局(バンラック区)と合同で捜査を進めていました。その結果容疑が固まったとして、20日午後、日泰ビデオ本店を強制捜査して従業員を逮捕、在庫17万枚とDVDライターが押収されました。

 今回のように、首都圏警察本部が地域を所管している警察署を差し置いて捜査に乗り出すとたまったもんではありません。タイでグレーゾーンの経営を行っている会社は所管の警察署に賄賂を払っている可能性が高いのですが、マッサージパーラーの帝王として知られたチューウィット・ガモンウィシット元下院議員がその事実を告白してからは、オーナーが外国人かタイ人かに関係なく、本部直接の強制捜査で摘発される経済事件が多くなっています。日泰ビデオもまた然りで、本部上層が出てきてからトンロー警察署に文句を言っても通るものではありません。

 董事長ふくちゃんは18日の時点でにシーロム店が営業停止になっているのを確認していました。その際説明として

「シーロム店はしばらくの間閉めさせてもらいます。本店(スクンビット33/1)か、宅配サービスをご利用ください」

 とありました。摘発を恐れ、あわてて書いたようで敬語もなっておらず、まさに殴り書きという感じでした。

(11月23日追加)
 日泰ビデオは他にスクンビットだけで2店舗、合計4店舗を持っていましたが、スクンビット24(クロントイ区)の店舗で営業を再開。今後は、客足の落ちていたシーロム店(バンラック区)を閉鎖、3店舗で営業を継続する模様です。店側では

「当局によるビデオ店への一斉立ち入り検査に協力したため、ご迷惑をおかけします」

 とパソコンで打ち出した告知を出してきました。