2009年7月8日水曜日

シーロム64のテナント、撤退相次ぐ

 シーロム通り、タニヤプラザBTSウィング隣の雑居ビル「Silom64」から、撤退する日系テナントが相次いでいます。入居率は低迷し、エスカレータも止まったままのこのビル、どうなるのでしょう?

 Silom64の3階にあった、フル日本語環境を売りにしていたネット屋「NEW NEW」が3月に撤退。その理由は、

「2箇所あった店舗をBTSラチャテーウィ駅前(ラチャテーウィ区)に集約する」

というものでした。しかし、Silom64の店舗が不採算になっていたのは誰の目から見ても明らかでした。
 この店は大手フリーペーパー「タイ自由ランド」に毎号広告を出していましたが、それも昨年9月以降は途絶えていました。


 同じく3階にあったコスプレ喫茶「momiji(もみじ)」も1階に移動するとともに、規模を縮小。こちらはタイ人スタッフ全員が浴衣着用で現場に出るというスタイルでしたが、Silom64ビルへの客の流動があまりない状況下で、過剰に広いスペースを確保していただけに、撤退か縮小かは時間の問題となっていました。

 Silom64がここまで不人気になったのは、リーマンショック以降の投資の冷え込みもありますけど、何よりもビルオーナーの経営に対する明確なポリシーが見えてこないことに尽きます。確かにBTSウィングやタニヤプラザからも撤退する店舗は出ています。しかし、タニヤプラザの場合はゴルフ用品という、「ハイソでニッチ」な分野に特化するというポリシーを打ち出し、テナントを繋ぎ止めました。Silom64にはそれがなかった。

 同じことが、スクンビット通りソイ31にある「FENIX TOWER」にも言えます。2006年11月にオープンした「タイ王将」がわずか1年で撤退すると、後継テナントがまったく見つからず、撤退から1年半が経った今も空きのままです。こちらもオーナーのポリシーが見えなかったのが敗因です。

 不況の今こそタイ進出を、とお考えの企業の皆さん。まとまったスペースが確保できる今が絶好のチャンスかもしれませんよ!?