首都圏の民鉄、JR線、バスを1枚のICカードで利用できる「PASMO」には、電子マネー残高がなくなったとき、クレジットカードから自動的にチャージ(追加入金)をする「PASMOオートチャージ」の制度があります。この制度は、駐在や外こもりなどで海外に長期間行く方には、思わぬ難点となる可能性を持っています。海外に出る前に、それなりの方法を打っておくべきです。
PASMOオートチャージには、有効期限の制度があります。この有効期限は、利用登録をした、即ちオートチャージされた残高を決済するクレジットカードの有効期限と同一に設定されます。ですから、有効期限が迫った状態で海外に出発してしまうと、更新されたクレジットカードを留守宅から郵送してもらっても、一時帰国したときに成田空港駅からPASMOオートチャージで京成電車に乗って、留守宅に帰ることができなくなります。
その期限は、有効期限が来る月の月末一週間前から、6ヵ月後の末日まで。そこまでに手続きできないと、PASMOオートチャージは自動解約となり、再度適用するには、1ヶ月近い時間がかかってしまいます。最悪の場合には、PASMOオートチャージの解約によってクレジットカード自体も退会となり、使えなくなることもあるとのことです。
《回避策1:事前に更新カードを受け取り、延長手続きをする》
自宅に郵送された更新カードと、お手持ちのPASMO電子マネーカードの2枚を持って、PASMOを取り扱っている民鉄の駅に行って、手続きをします。東急電鉄などでは、自動券売機での手続きもできます。
《回避策2:PASMOオートチャージだけを解約する》
クレジットカードとPASMO電子マネーカードの2枚を持つタイプ(JALカードTOP&ClubQ、京王パスポートカードなど)で、6ヶ月間の間に一時帰国の予定がないのなら、出発前にPASMOオートチャージの利用だけを解約すればOK。万が一一時帰国した場合でも、更新されたクレジットカードを郵送されていればそのカードでJR線、京成電車、リムジンバスのいずれにも乗ることができます(京王パスポート・ホワイトカードと東武ハウスカードを除く)。

ただし、パスタウンPASMO、東武カードPASMO(全種類)、To MeカードPASMO(JCBのみ)は、PASMOオートチャージを解約するとクレジットカード自体も退会になってしまいます。
《回避策3:PASMO電子マネーを払い戻す》
留守宅を引き払い、将来本帰国となっても関東地方に戻る予定がなければ、PASMO電子マネーカードを不要なものとして払い戻すこともできます。ただし、Pastownカード(親子型)と一緒に発行された記名PASMO、および一体型PASMOのPASMO電子マネー部分を払い戻すと、クレジットカードも同時退会となってしまいます。
《回避策4:一体型PASMOに切り替える》
逆に、クレジットカードとPASMO電子マネーの2枚を持っているなら、この機会に一体型PASMOへ切り替えるというのはどうでしょうか? TOP&ClubQ JMBカードPASMOなら、お手持ちのJALマイレージバンクICカードも1枚に統合でき、海外に出張するビジネスマンには最適の1枚になります。