2009年4月13日月曜日

【速報】タクシン派が先鋭化

(画像協力:唐崎正臣さん/Digital Network Asia社長)
 4月10日のASEANサミットを途中打ち切りに追い込んだ、タクシン・チナワット元首相支持派過激集団「反独裁民主同盟」(UDD)。ついに、バンコク首都圏内で治安警察・陸軍相手の全面戦争と言ってもいい状況に突入しました。バンコク首都圏中心部は大混乱。負傷者多数を出し、外国人の観光にも大きな支障を出す、最悪の結果になりそうです。


 11日、ASEANサミットが行われるはずだったパタヤから移動してきたUDD軍は、国家警察本部(パトゥムワン区)前で気勢を上げる一方、アピシット・ウェチャチワ首相の退任を求めて首相府(デュシット区)前にも多数の支持者を集めました。
 アピシット首相は12日(日)8時30分から国営NBTテレビとFM「ラジオタイランド92.5」で放送された定例演説「アピシット・ウェチャチワとタイ国への信頼」の中で、

「UDDはもはや民主主義精神を失った。国家の敵とみなす」

と表明。
 その後、首相府を後にしようと公用車に乗り込んだところ、UDD軍から攻撃を受け、緊急脱出に成功したものの運転手が負傷する事態に。これを受け、アピシット首相はバンコク首都圏と隣接する6つの県(サムットサコン、ナコンパトム、ノンタブリ、パトゥムタニ、アユタヤ、サムットプラカン)の一部を対象に非常事態を宣言しました。

 首都圏バス公団(BMTA)は直営の赤バスと急行バス全路線の運行を12日21時から止めています。スワンナプーム空港からは民間委託路線(前記事「空港アクセス路線が民間委託に」参照)で市内に出ることができるようですが、かなりの混乱になっているとのことです。
 戦勝記念塔急行ターミナル周辺は、キングパワーコンプレックス(ラチャテーウィ区)を目指したUDD軍によって武力衝突も起こっており、外国人旅行者は近づくべきではありません。
 戦勝記念塔急行ターミナルからは、スワンナプーム空港へ向かう[551]が運行されていますが、そこまで行く途中のディンデン通りが全くお話になりません! 

 これでは、スワンナプームショック(前記事「スワンナプームにPAD突入」参照)以上の国家非常事態。極めて残念ですが、Traveler's Supportasia董事会は独自の判断でタイ全土に「退避を勧告します」の安全情報を出さざるを得ません。
 ここ数日間にタイへの出発を予定されていた方、申し訳ありませんがキャンセルをお願いいたします。ソンクラーンでタイ入りされている方も多いと思われますが、できるだけ早急に荷物をまとめ、予約を変更できるなら今夜の便に乗れるよう、大至急スワンナプーム空港に向かってください。