2008年10月24日金曜日

戸籍抄本を海外から郵送で取り寄せる方法

海外でパスポートの新規発給が必要になった際、最大のネックは『戸籍の個人事項記載証明書(戸籍抄本)をどうやって取り寄せるかということ。ご実家のある方なら、家族に送ってもらえば楽勝ですが、実家が既にないとなると大変です。特に、紛失や盗難が理由の新規発給は戸籍抄本の提出が避けられないだけに…。しかし、このピンチを乗り切る裏技があることがわかりました。

まず、日本大使館または総領事部に提出した紛失届出書を、大使館の方にコピーしてもらいます。裏に、以下のことを書きます。

・本籍地
・戸籍の筆頭者の氏名
・誰の分の抄本が必要か
・必要な数(1通)
・使い道(裏面の通り、でOKでしょう)
・住民票上の住所、電話番号

書きあがったら、返信用封筒を用意し、受け取るべき住所(ゲストハウスやホテル)を書いて別の封筒に入れます。

次に郵便局へ行き、「国際返信切手券」(International Response Coupon)を5枚買います。タイの場合は、1枚53Bt.。5枚ということは、265Bt.です。ちょっと痛いですが仕方ないでしょう。
ただし、国際返信切手券は、大きな郵便局でなければ扱ってくれません。バンコクでは、中央郵便局(バンラック区)、ラチャダムヌン郵便局(プラナコン区、カオサンから徒歩すぐ)などで対応してくれます。

そして、ここで本籍地の市区町村役場に電話を入れ、追加書類が必要になるかを確認します。もし必要であれば取り寄せなければなりません。この確認を怠って書類を発送してしまうと、「追加書類が必要になる」と手紙で連絡されるので、そこからの手続きと合わせてトータルで1ヶ月を要してしまいます。

2008年5月1日施行の戸籍法改正(2007=平成19年法律35号)で、海外への発送は例外中の例外となり、本人確認書類としてパスポートのコピー、そして発送先の住所を証明できる公的機関発行の書類が必要になりました。具体的には、最寄の日本大使館旅券証明部または日本総領事部が発行した在留証明書です。

タイであれば、ノンイミグラント(長期)ビザを得て、在留届を提出している方に在留証明書が発行されます。在バンコク日本大使館旅券証明部、または在チェンマイ日本総領事部で360Bt.の手数料で即日発行。在留証明書が発給されない沈没組は、英語の在留届出済み証明書を得て、在留証明書に代えることができます。こちらは640Bt.かかります。

紛失届出書のコピー、紛失したパスポートのコピー、在留証明書、国際返信切手券、返信用封筒がすべて揃ったら、郵便局から本籍地の市区町村役場宛に航空便で発送します。所要10日ないし2週間で、在留証明書に記載された住所に戸籍抄本が返送されてきます。

(この項、スワミシゲルさん/インド・ヒマチャルプラデシュ州からの投稿です)
ただし、紛失および盗難の事例では必要に応じて戸籍抄本がなくても新規発給に応じている例もあるそうです。

最近、カオサンのママズゲストハウスに宿泊したあるベテランパッカーが、メキシコとグアテマラの国境付近でゲリラの被害に遭った際、在メキシコシティ日本大使館旅券証明部でパスポートのデータを照会させたところ大使館は新規発給に応じ、しかも即日(通常は3日待ち)受け取ったとのことです。また、東京の外務本省に問い合わせたところ、そのような事例では各在外公館の判断で処理することも可能との見解を引き出しました。

半年以内に帰国を予定しているなら、日本で戸籍抄本を準備していくのもひとつの選択肢ですが、もしやるならパスポートと戸籍抄本は別に保存するべきでしょう。

(2017年2月6日追加)
大田区役所区民部戸籍住民課(東京都大田区)が、この事例を引き合いにしたのかどうかはわかりませんが戸籍証明書等請求書(日本国外からの請求用)を作成し、HPに公開しています。他の区市町村にお住まいの方も準用できるヒントがあるかもしれませんので、参考になさってください。