2008年7月6日日曜日

「国外で生まれた」日本人の選挙人証

 海外に在住する日本人が、日本の国政選挙に投票するには「在外選挙人登録」を、最寄の日本公館経由で行う必要があります。駐在員の方は、ほとんどが手続きを終えられていると思います。が、海外在留中に子供が生まれた家庭では、ちょっと気にしないといけないことがあります。

 日本国外で生まれ、20歳の誕生日までに1度も日本に帰国したことがない、または、一時帰国はあっても住所地を定めて住んだことがない方については、「親の本籍地」で投票することができます。たとえば、父親の本籍地が愛知県名古屋市中村区で、母親がタイ人である場合を考えましょう。2人の間にチャチュンサオ県で生まれた子供、Aさんはチャチュンサオ県のタビアンバーンとIDカードを持つとともに、日本の戸籍は在バンコク日本大使館を通じて「名古屋市中村区」に作成されるのです。ですから、Aさんが1度も日本に帰国することなく20歳の誕生日を迎えて在外選挙人証を申請しますと、Aさんが投票できる選挙区は

衆議院小選挙区:愛知5区
衆議院比例代表:東海ブロック
参議院選挙区選:愛知選挙区

 となるのです。

 ですが、20歳までの間に、日本へ帰国して一定の期間住所地を定めて住んだことがあるならば、転入届を出すことで住民票が作成されていますので、その住民票を抜いた(転出届を出した)市町村が所属する選挙区で投票することになります。たとえば、Aさんが泰日協会学校本校(バンコク首都圏ホイクワン区)中学部を卒業し、高校入学のため日本へ帰国したとします。Aさんが入学する学校は岐阜県中津川市にあり、市内にアパートを借りて住んだならば、転入届によって中津川市に住民票ができます。
 このAさんが高校を卒業後、タイに戻って泰日工業大(バンコク首都圏スアンルアン区)に入りますと、日本での最終住所地は中津川ですから、Aさんが投票できる選挙区は本籍地の名古屋ではなく

衆議院小選挙区:岐阜5区
衆議院比例代表:東海ブロック
参議院選挙区選:岐阜選挙区

 になってしまいます。