2008年7月7日月曜日

水上生活の名残が見えたバンコーレム区

 王宮前広場からヤワラー、バンラックを経由してBTSサパンタクシン駅方面に向かう公共バス[1]は、チャルンクルン通りがチャオプラヤ川にぶつかる、バンコーレム区タノントックが終点です。そこには、現代のバンコクと、近代のバンコクが入り乱れた面白い雰囲気が漂っていました。シーロムから20分弱、サパンタクシン駅から行くならわずか10分で着ける、半日観光にぴったりの場所を旅してきました。

 サパンタクシン駅を過ぎて、バスがラマ3世橋へつながる高架橋の下をくぐると、そこがタノントック地区です。バスは、地区で最も目立つチャルンクルン市民病院を過ぎて、すぐの首都圏電力公団バンコーレム支所前で終点になります。そこを降りて、バスが止まっている方向へちょっと行くと、道は行き止まりになります。行き止まりの道に階段があり、上がっていくと、桟橋に出るではありませんか。ここはタノントック桟橋といい、サパンタクシン駅からチャオプラヤ川を下ってクロントイ港までの水路を定期運航するために作られた桟橋です。しかし、現在は運航されておらず、対岸のラットブラナ区側に渡る渡し舟もありません。
 この桟橋に降り立つには、木の板を渡した狭い通路を歩く必要があるのです。そして、その通路は途中でいくつか分かれています。その先には、一般の方の家がありました。董事長ふくちゃんが歩いている通路の下には、水が。すなわち、家自体がチャオプラヤ川の水面上にせり出しているのです。川の上に高床式住居があるとお考えいただければ早いと思います。
 タノントック桟橋では、5世帯がチャオプラヤ川の上にせり出した家で水上生活をしています。さすがに家自体が船として移動できる訳ではありませんが(認められているのはピサヌローク市だけです)。

 そこから数百メートル戻ると、バンコク首都圏南部をチャオプラヤ川沿いに走る幹線道路、ラマ3世通りに出ます。そこは、新交通システムBRTの建設が進められている(前記事「基幹バスBRT、8月開通へ」参照)、バンコクでも有数のホットな一角です。開通すれば、BTSチョンノンシー駅まで、渋滞することはもうありません。