2008年5月14日水曜日

【政策提言】ビーマンバングラデシュへのMRJ90供与を早急に決めろ!

 三菱航空機(名古屋市)が開発を正式に決定した小型ジェット旅客機「MRJ」は、発売1ヶ月でANA(NH)とベトナム航空(VN)から正式な受注を獲得しました。しかし、MRJを最も必要とし、かつ緊急性の高い会社があるのです。それが、ビーマンバングラデシュ(BG)!

 ビーマンバングラデシュが現在使用している小型ジェット旅客機「フォッカー28」は、新造から既に30年を経ている骨董品的機材です。メーカーのフォッカー社(オランダ)自体がなくなり、部品供給すら危なくなって早急な代替が必要であるにもかかわらず、同社の事情がそれを阻んでいます。
 ビーマン自体、フリートの老朽化と慢性的機材不足で路線規模がどんどん縮小し、ナショナルフラッグキャリアの看板が揺らぎつつあります。以前は政府機関だったのが、日本で言うところの特殊会社化(正式社名Biman Bangladesh Airlines Limited)されたとはいえ、それ以降は縮小の一途をたどっています。2006年の東京線廃止(前記事「ビーマンバングラデシュ、成田行き運休」参照)に続いてブリュッセル経由ニューヨーク線もなくなりました。
 そんなビーマンは耐用年数が迫ったDC-10の代替となる大型機として、B773ERとB787をリース会社経由で注文しようとします。が、最も重要なのは、バングラデシュ国内線と、インド・ネパールへの近距離国際線に使っているフォッカー28の代替です。

 三菱MRJを売るにあたっては、独立行政法人日本貿易保険と、国際協力銀行が全面的な支援を用意しています。日本貿易保険は、MRJの売却代金全額を債務保証します。一方国際協力銀行は、相手が国営航空会社であれば、円借款を供与して三菱航空機に対し実質的な立て替え払いをすることも辞さない方針です。この方針は、バングラデシュ政府が全株式を保有しているビーマンバングラデシュにとっては、願ってもない好条件です。
 納入こそ5年先(2013年)になりますが、そこまで待っても、導入する価値はあります。現在あるフォッカー28は3機ですが、その倍の6機分、200億円強を、円借款供与すべきと考えます。MRJを発注する2社目の海外航空会社として、ビーマンバングラデシュの名前を見たいところです。、