日本ボクシングコミッション(JBC、東京都文京区)は機関誌『BOXING広報』2007年5月号に、「海外遠征時の注意事項」と題する文書を掲載しました。引用します。
1.海外に遠征するプロボクサーは当該年度中に有効なボクサーライセンスを取得し、同様にライセンスされたマネージャーを帯同すること。
2.事前にJBC規定の海外遠征届を最寄りの地区事務局宛に提出すること。最低必要事項は以下の4つ。
1.試合会場
2.対戦相手(JBC指定の招聘禁止選手は極力使わないこと)
3.契約体重、または階級
4.ラウンド数
添付資料:試合許可証(遠征する国のコミッションが発行したもの)
試合契約書
3.戦績等に著しい差のないマッチメークを行うこと。
4.帰国後直ちに「海外遠征報告書」を最寄りの地区事務局宛に提出すること。遠征報告書には公式計量、および試合の結果を明記する必要がある。
この結果、奥本貴之選手(前記事「来タイプロボクサーの緊急業務行為」参照)のように、日本でプロテストを受験できない17歳以下の選手が日本に住みながら海外でプロの試合に出ることは、事実上不可能となりました。
木村隼人選手(前記事「15歳、タイ在住日本人プロボクサー!?」参照)のようにタイ国内のジムに正式に所属して、ノンイミグラントビザでタイに在住するのであれば、ライセンスの発給を受けて試合に出場することは可能ですが、JBC的にはグレーゾーン。17歳の誕生日を迎えた後にプロテスト受験を申請しても認められる保証はありません。
JBCの処分対象になるというリスクを回避するため、選手本人がJBC加盟ジムを退会したり、練習生として来る手もありますが、マネージャー、プロモーターがJBCからライセンスを受けているなら、ボクサー(選手)ライセンスを持っていない選手を試合に出させることはできませんので、結果的に同じです。