2007年1月4日木曜日

スターアライアンス、ヴァリグ航空を追放

 ANA、ルフトハンザなど世界の主要航空会社18社で構成する「スターアライアンス」は、加盟社の一つであるヴァリグ・ブラジル航空(RG)を1月31日限りで脱退させると発表しました。事実上の追放処分といえ、1997年の結成以来3社目です。


 ヴァリグ航空は9.11以降、主力の欧米、日本向け国際線の搭乗率が悪化。中でもブラジル人に対して、経由地のアメリカで24時間以内のビザ免除が認められなくなってからは、東京と名古屋に就航していた日本便のお客様を欧州の大手航空会社に奪われ、採算が立たない状態になっていました。
 2004年1月、名古屋から撤退。週4便を運航していた成田~(ロサンゼルス、サンパウロ経由)リオデジャネイロ線も2006年1月に運休。そしてそれに先立つ2005年6月には、本国ブラジルで会社更生法、アメリカでも連邦破産法11章(チャプタ11)適用を申し立て、経営破綻していました。

 リース機材の差し押さえや手持ち現預金不足などで徐々に運航規模を縮小。2006年6月からは、新会社への移行を進めていましたが、スターアライアンスでは、ヴァリグの新会社移行で規模がさらに縮小すれば国際線ネットワークがほとんどなくなり、スターアライアンス本格メンバーの加盟基準を満たさなくなるどころか、「リージョナルメンバー」に格下げするにも支援する加盟社がないため、追放やむなしとの結論に至りました。
 2006年8月にヴァリグとスターアライアンス加盟各社との間で結ばれていた連帯運送契約を解除。スターアライアンス特典航空券や、世界一周運賃の利用対象から除外され、この時点で最終決定はもはや時間の問題でしたが、12月の定例社長会でトルコ航空(TK)の新規加盟と引き換えにヴァリグを追放する決定が下りました。
 スターアライアンスから加盟社が脱退、あるいは追放されるのは2001年のアンセットオーストラリア(AN、破綻により運航停止)と2004年のメキシカーナ航空(MX、戦略変更でユナイテッド航空/UAを裏切った)に続いて、史上3社目。事実上の倒産が原因とはいえ会社の規模縮小で加盟基準を満たさなくなるとして追放されるのは、初めてとなります。

《お手持ちのマイルは?》
 ヴァリグの自社プログラム「Smiles」の場合、2007年1月31日までに発券完了しないとスターアライアンス特典航空券に交換できなくなります。現在15,000マイル以上の残高がある方は、マイルを無駄にしないためにも大至急、区間と日程を決めて発券の手続きを取ってください。
 Smilesシルバー以上のエリート会員は、1月31日までスターアライアンスエリートのサービス(ラウンジ入場、手荷物優遇等)が受けられますが、2月1日以降はヴァリグが保有しているブラジル国内の施設しか使えなくなります。

 スターアライアンス加盟各社のマイレージプログラムにヴァリグ運航便のマイルを積算するのは、1月31日搭乗分まで従来通りの基準で可能です。スターアライアンスエリートの計算対象マイルにもなります。ただし、マイルをヴァリグ特典航空券に交換することは、上述しましたが2006年8月23日限りで不可能になってしまっています。