本日、京都市内の病院で60代の男性が、狂犬病を発症して死亡しました。日本人が狂犬病で死亡するのは1970年(昭和45年)以来、36年ぶりといいますから何とも呆れます。
厚生労働省健康局結核感染症課(東京都千代田区)が京都市役所保健福祉局地域医療課を通じて確認したところ、この男性は2006年8月下旬、フィリピンを旅行中に犬に噛まれ、その後病院に行っていなかったとのこと。犬への狂犬病予防注射を徹底し、狂犬病が事実上撲滅されている国は稀であって、海外がすべて日本と同じであると思ってはいけません。
特に狂犬病は一度発症したら後は死を待つしかない危険な感染症ですので、発症する前に対策を取っておかなければ命はつながりません。逆に言うと、犬に噛まれた後でも指示された通りにワクチン注射を受けるなど適切な処理がなされていれば、99%助かるんです。
今回死亡した男性のように、犬に噛まれた後1度も病院に行かず、発症して特有症状が出てから緊急入院というのは、呆れを通り越してむしろ、非難されたとしても何らおかしくありません。
狂犬病はタイでは年間50人前後が発症・死亡しており、どこの病院にもワクチンがあるほどありふれた病気です。予防接種でしたらワクチンのみを3回打ちます。
2回目:1回目の4週間後
3回目:2回目を打った日から6ヶ月~1年後
しかし、犬に噛まれてから打つ場合は6回、しかもワクチンに加えて「γ(ガンマ)-グロブリン」という進行を抑える特殊な製剤も打たないといけません。
1回目:犬に噛まれた当日
2回目:3日後
3回目:1週間後
4回目:2週間後
5回目:1ヵ月後
6回目:3ヵ月後
費用は1回あたり350Bt.(@スネークファーム=チュラロンコン大付属赤十字病院毒蛇研究所)ですが、犬に噛まれた後に打つ場合はグロブリンが特注となるため、1回当たり3,000Bt.以上に跳ね上がってしまいます。
それでも犬に噛まれた後6回の注射を打ったとして18,000Bt.(6万円)。それで99%の生還率が期待できるんですから、安いもんです。たかが6万円をケチったがために一命落として、誰のためになるんですか? 日本人の価値ってそんなもんなんですか? むしろTraveler's Supportasiaで書く内容としては迷惑ものです。この記事を読んだ皆さんは、適切な処置をして狂犬病に打ち克っていただけると確信します。それ以前に、ノラ犬には近づかないというのが、最も決定的な対策であると管理者ふくちゃんも痛感しています。