2021年7月2日金曜日

大江戸温泉物語グループ発祥の地、『東京お台場』閉鎖決まる

大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ(東京都中央区)は、同社創業の地で長年グループの旗艦店だった『東京お台場大江戸温泉物語』(東京都江東区)を、9月5日(日)限りで閉館すると発表しました。これに伴い、成田空港交通(千葉県成田市)の『エアポートバス東京・成田』も同日付で乗り入れを終了する予定です。

東京お台場大江戸温泉物語は、新交通ゆりかもめテレコムセンター駅至近の場所に、2003年(平成15年)3月にオープンしました。開発にあたって天然温泉の掘削が行われ、オープン前年の2002年5月、深さ1400mまで掘ったところでお湯が出ました。

会社側は東京都港湾局との間で借地借家法(1991=平成3年法律90号)に基づく事業用定期借地権の設定契約をしていましたが、当初10年間の契約で最大20年まで延長できるとされていました。しかし、2008年の借地借家法改正で事業用定期借地権の上限が50年に延長された後も、法改正以前に結ばれた契約は上限20年のままで、20年を超えて延長することはできないとされました。都庁と会社側は2001年(平成13年)に進出契約をしたので、そこから20年が経過する2021年(令和3年)が店舗を存立できる限界となりました。東京都港湾局は22年以降、契約を結び直すことを拒否し、大江戸温泉物語グループも全国38カ所に展開する大手スーパー銭湯事業者に成長したため、お台場から東へ約15Kmのところにある『大江戸温泉物語浦安万華郷』(千葉県浦安市)を事実上の後継として、『東京お台場』は断腸の思いで閉鎖する決断をしました。その際、契約が満了する2021年12月31日までに建物を解体、更地に戻して都に返還する必要があり、解体工事にかかる期間を考慮して、遅くても9月上旬までには店舗を閉めなければならないと判断しました。

成田空港交通が属する京成バスグループでは、エアポートバス東京成田の前身の『東京シャトル』が増便された2013年9月1日から、『東京お台場』への乗り入れを行っていました。最盛期には1日6往復が乗り入れ、深夜にチェックインして、成田空港への早朝便の出る時間まで仮眠室や大広間で休憩して、ホテル代を浮かすことも出来ました。2020年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによりエアポートバスが減便された後も、1日1往復が『東京お台場』始発で運転されてきましたが、20年9月1日のダイヤ改正で『東京お台場』と東京駅の間は運休となり、そのまま閉館、バスも消滅することになりました。