フジサンケイグループのラジオ専業放送局、ニッポン放送(JOLF:東京都千代田区)はこのたび中波(AM)放送の拠点である木更津送信所(千葉県木更津市)に大規模な設備投資を行いました。これにより、木更津送信所から発信されているAM1242kHzの電波は2028年以降も存続することが確定しました。
同局関係者が業界向け専門雑誌『放送技術』(兼六館出版:東京都千代田区)に投稿した論文「ニッポン放送木更津送信所電源設備更新」が28日発売の2021年1月号に掲載され、判明したものです。
ニッポン放送木更津送信所は、1971年(昭和46年)に完成した終段出力100kWという国内民放最強の電波を出す送信所です。1993年のAMステレオ放送開始の際に送信機と電源設備を入れ替え、それが耐用年数を迎える2020年代前半に開設以来2回目となる送信機の入れ替えを予定しているため、その前段階として電源の更新を行ったと記述されています。早ければ2023年にも一部の地方民放局が「長期停波試験」と称してワイドFMへの一本化を実行に移すことを予定していると伝えられていますが、ニッポン放送は大電力の広域放送局ですので、ワイドFM(93.0MHz)よりも可聴エリアの広いAM放送を無くす訳にはいかないのです(前記事「2030年、民放AMラジオ閉局の嵐が!? (2)実際に閉局できるのは少数!?」参照)。今回の設備更新で、ニッポン放送はワイドFMへの電波一本化を行わないことも事実上決まりました。