2018年2月16日金曜日

年会費無料!勤め先の信用で取る「秘密の」ゴールドカード

日本でゴールドカード以上のクレジットカードと言えば、高い年会費を支払ってそれ相応のサービスが付いてくるものと相場が決まっています。法人向けのゴールドカードは会社の銀行口座から落ちるので、出張者や常に車を運転する営業職・サービスマンなどの経費支払い以外には使わないのが普通。ところが、大企業や公務員向けには、勤め先とカード会社の提携を盾に年会費無料で個人向けのゴールドカードが発行できる場合があります。

クレディセゾン(東京都豊島区、東証1部上場)が、吸収分割前のユーシーカード(東京都港区)から引き継いだUCカードブランドには、『Prize(プライズ)』というカードが存在します。これは、クレディセゾンの実質親会社であるみずほ銀行(東京都千代田区、全国銀行協会加盟)との取引が深い上場企業や、国家公務員共済組合連合会(KKR:東京都千代田区)、全国市町村職員共済組合連合会(地共連:東京都千代田区)、各都道府県の職員互助会や職員生協などを通じて募集が行われているものです。

『UCコーポレートカード』には、いわゆる法人カードとして経費の精算に使うことを想定し、会社の銀行口座から引き落とされる『会社主債務型』と、企業の福利厚生の一環として発行され従業員個人の口座から引き落とされる『個人主債務型』があります。このうち、会社主債務型を契約している大企業ではコーポレートカード利用者による公私混同を防ぐため、個人の生活費、旅費や定期的な支払い、副業の仕入れなど会社と関係ない支払いには個人カードである『Prize』を使ってもらうという狙いがあります。また、大企業の福利厚生用である個人主債務型の代わりに、公務員の福利厚生用として発行しているほか、個人主債務型の契約を打ち切った企業の従業員や、定年あるいは転職などで個人主債務型が使えなくなる従業員に対し、退職直前にPrizeを勧誘したという報告もあります。

サービス自体はUCゴールドカードとほぼ同じですが、UCゴールドカードでは10,800円の年会費がかかるのに対し、Prizeはなんと永年無料。提携している企業や公務員を退職した後も継続することができます。海外旅行傷害保険や、成田空港・関西空港などのカードラウンジ利用権も個人向けのゴールドカードと同じなので、もしお誘いがあったら作らない手はありません。既に他社の個人向け上級カードや、ANAワイドゴールドカード、JALカードCLUB-Aゴールドを所有している方も、サブ的な役割でゴールドカードをもう1枚備えられます。特に、お手持ちのゴールドカードがJCBやAMEXの方は、UCが提携しているVISAとMasterCardの2大ブランドを無料で持てることとなり、海外旅行時の備えに便利です。

三井住友カード(東京都港区)にも、『コーポレートゴールド(個人システム型)』という同様のカードがあり、こちらは防衛省の外郭団体『防衛弘済会』(東京都新宿区)が大得意先となっています。