2018年1月10日水曜日

ソラチカルート封鎖へ!(1)陸マイラーにJCBが徹底抗戦

東京メトロ(東京都台東区)とジェーシービー(JCB、東京都港区)は、『ANA To Me Card PASMO』(別名ソラチカカード)でこれまで認めてきたポイントサイト各社からのポイント交換を3月31日(土)で一斉に終了すると発表しました。ポイントサイト利用者の90%以上が利用している4大交換サイト全てから交換ができなくなり、陸マイラーの間で『ソラチカルート』の異名を付けられていたソラチカカードの別の意味でのメリットが失われます。

交換が終了するのは、PeX(運営会社:ボヤージュマーケティング=東京都渋谷区)、ネットマイル(東京都千代田区)、Gポイント(ジープラン=東京都千代田区)、ドットマネーby ameba(サイバーエージェント=東京都渋谷区、東証1部上場)の4つのサイト。Pointexchange(リアルワールド=東京都港区、東証マザーズ上場)は、ソラチカカードのポイントである『メトロポイント』への交換を扱っていないため、影響はありません。

ソラチカカードなど一連のTo Me Cardシリーズでは、ポイント還元として東京メトロが独自に行う『メトロポイント』と、カードを発行するクレジットカード会社のポイントの2種類が貯まる仕組みになっており、今回問題になったのは、メトロポイントの方です。

メトロポイントは、東京メトロの駅の自動券売機で交通系電子マネーの『PASMO』にチャージして使うことを想定して作られていますが、他に通販大手・楽天(東京都世田谷区、東証1部上場)の『楽天スーパーポイント』や、ANA(NH、東京都港区)の『ANAマイレージクラブ(AMC)』などに交換することができます。中でも、AMCのマイルはベーシックカードに相当する『To Me Card Prime』を使うと1,000P=600マイル(1マイルあたり1.67円)の交換レートなのに対し、ソラチカカードでは100P=90マイル(1マイルあたり1.11円)という破格のレートが提供され、今回取り扱いが終了する交換サイトと提携しているポイントサイトでクレジットカード発行などの高還元案件をこなしたり、友達紹介などの手段で得たポイントをメトロポイントへ流し込むためにわざわざソラチカカードへ入会し、実際にAMCマイルにまで交換する『陸マイラー』と呼ばれるマイレージマニアがいました。

また、ソラチカカードはANA JCBカードとの2枚持ちが許されている(前記事「ソラチカカードとSFC JCBの2枚持ちが可能になった」参照)ため、普段の搭乗マイルはANA JCBカード(SFCカード含む)で貯め、ポイントサイトから交換したマイルはソラチカカードに貯めて、2枚のカードのマイルを合算し特典航空券に交換するという離れ業もできました。

しかし、ドットマネーがメトロポイントへの交換を手数料無料という前提で始めたのをきっかけに、昨年10月にはPeXがそれまで徴収していた交換手数料を無料化し、ポイントサイトからそれまで以上に大量のポイントがメトロポイントに流れ込むようになります。これに対し、発行したマイルを特典航空券に交換され、使われる立場のANAと、ソラチカカードがショッピングや各種決済に利用されなくなってしまい維持コストの面で割を食うJCBが反発。東京メトロに対し、ポイントサイト業界と縁を切るように圧力をかけてきました。