2017年8月1日火曜日

AMCEdyカードの新規発行終了!モバイルとデザイン統一

ANA(NH)の販売戦略部門子会社『ANAセールス』(東京都港区)は、ANAマイレージクラブ(AMC)会員に配布するカードを一部見直しました。2016年12月にスマートフォン用のアプリをリニューアルし、搭乗手続きを完結できる『AMCデジタルカード』としたことで従来のプラスティックカードをモバイルと合わせることになり、同時にプラスティックカードで長年提供されてきた『AMC Edyカード』の新規発行も終了しました。

AMC Edyカードは、Edy電子マネーを運営する楽天Edy(東京都世田谷区)が旧社名の『ビットワレット』(東京都品川区)といった時代の2003年(平成15年)に発行を開始しました。当時のビットワレット社にはANAが大株主として関与し、ANAカード(クレジットカード)はEdyを標準搭載、AMCカードはEdy機能の有無を会員が選択できるようにしました。ANAでは、ANAカード・AMC Edyカードにチャージされた残高の利用分、200円ごとに1マイルを付与するなどして、Edy電子マネー黎明期の普及に大きく貢献しました。

その後、2012年(平成24年)にビットワレット社は楽天(東京都世田谷区、東証1部上場)に買収され、現社名の楽天Edyに変わりますが、AMCのマイルを楽天Edy電子マネーに交換できる制度は存続。翌2013年(平成25年)には国内線の機内販売でもEdy決済を開始。運航中の航空機内で使える世界初の電子マネーとして注目を集めました。

しかし、ANAは2016年(平成28年)12月、モバイルAMCアプリをリニューアルした『ANAマイレージクラブアプリ』をスマートフォン向けに提供開始。別に提供されている『ANAアプリ』と併せて使うことで、予約から搭乗手続きまでを1台のスマホで完結できるようにします。ANAマイレージクラブアプリには、国内線でチェックインを省略できる『Skipサービス』や、日本国内各空港の自動チェックイン機にかざして使うQRコードが搭載されていることから、AMCプラスティックカードでも同様の使い勝手を提供する必要があるとANAでは判断しました。

また、楽天グループでは楽天カード(クレジットカード)とAMC一般カードの機能を併せ持つ『楽天ANAマイレージクラブカード』が登場。ANAセールスからも、Edy以外にVISA・JCBのプリペイド機能を搭載したカードが相次いで登場するなど選択肢が増えました。加えて楽天Edyは紛失や盗難、機種変更などによる残高の引き継ぎを一切認めない制度となっているため、海外での紛失リスクが他のEdyカードに比べて大きいAMC一般会員カードへの搭載はひとまず終了したいとANAが楽天に提案。両社合意の上で新規発行終了が決定しました。ANA SKY WEB(ホームページ)からの申し込みは2017年7月3日、空港やANA海外支店、日本全国の旅行会社などに設置されているはがきからの申し込みは6月28日到着分を持って終了しており、今後紛失・磁気不良・ICの不具合などにより再発行が必要な場合はEdy機能のないAMC一般カードに差し替えられます。

なお、ANAカード(ANA VISA Suicaカード、ソラチカカード、東急×ANAカードを除く)については今後もプラスティックカードへの楽天Edy搭載を継続。Androidスマホやおサイフケータイ用の楽天Edyアプリで、利用高に応じてAMCマイルが貯まるシステムも従来通りです。