2016年11月9日水曜日

日本発EMSが値上げ!書類は一挙に1.5倍

JP POST 日本郵便(東京都千代田区)は、今年6月から国際郵便料金の一部を値上げしました。全世界向けのEMS(日本名国際スピード郵便)と北東・東南アジア向けの船便小包が対象で、特にEMSは最も安い300g以下の料金区分が廃止になったため、最も影響を受ける書類では一挙に50%以上もの大幅な値上げになってしまっています。

日本発の国際スピード郵便は、郵政省時代の1984年(昭和59年)に一般個人の利用が可能になって以来、最低段階の重量が300g以下とされてきました。日本国内の書留速達に相当するEMSは、航空便と比べて大きなコストがかかるため、通常の航空郵便と違って10gや20gといった細かい単位での料金設定がありません。

しかし、民営化から9年を経た日本郵便では旧郵政省や日本郵政公社時代に政策上採算を無視して低く抑えられていた料金体系の見直しに取り組みます。日本郵便はプレスリリースで

「海外の郵便事業体に支払う配達費用や国内処理コストの増加により国際郵便全体の採算性が悪化している」

と説明、300g以下の料金区分を廃止して、最低段階の重量を500g以下に引き上げたのです。

これにより、第1地帯とされる日本からアジア諸国へ、300g以下の書類を国際スピード郵便扱いで送ろうとすると、従来900円だったのが500円(64%)もの値上がりで1,400円も取られてしまいます。普通郵便との差は今まで10倍だったのが、15.4倍と開き、それでいて所要日数は2ないし3日程度しか違わないとなると、どうしても至急で郵送しないといけない重要書類でなければ航空便の方が圧倒的に有利となります。