2014年12月12日金曜日

ANA成田~バンコク・シンガポール線毎日2便に復帰

ANA(NH、東京都港区)は、2015年夏スケジュールで成田~バンコク(スワンナプーム)、シンガポール(チャンギ)線を現在の毎日1便から2便に増強すると発表しました。今年夏スケジュールでそれまであった成田発午前便を羽田に振り替えて以来、約1年ぶりの2便体制復活ですが、北米大陸からの乗り継ぎ需要に配慮し成田発は2便とも夕方とします。

《成田発2015年6月11日、チャンギ発6月12日から有効》
NH845 NRT1700~SIN2315 DAILY
NH846 SIN0035~NRT0845 DAILY

《成田発2015年8月1日、スワンナプーム発8月2日から有効》
NH807 NRT1655~BKK2135 DAILY
NH808 BKK0030~NRT0840 DAILY

(機材はいずれもB788 ビジネスクラス46席、エコノミークラス123席)

ANAではバンコク・シンガポール線について、2014年夏スケジュールで成田午前発、折返し現地深夜発の便を羽田発着に変更しました(前記事「ANAバンコク・シンガポール午前便を羽田に振り替え」参照)。成田発午前便の変更は、タイ国際航空(TG=THA チャトチャック区、SET上場)とシンガポール航空(SQ=SIA、シンガポール取引所上場)の同時間帯の便にコードシェアすることで解決できましたが、現地深夜発の成田行き便については、ユナイテッド航空(UA=UAL アメリカ・シカゴ、NASDAQ上場)と共同事業を行っている北米大陸諸都市への便に対する接続の関係で、どうしてもANA自社便で一定の需要を確保しなければならないとの判断に達した模様です。

現地を深夜に出る成田行きは、翌日の午前中に出発するANAやユナイテッド航空の北米東岸諸都市への便に接続ができ、重宝されていました。ANAはこの便を羽田に振り替え、日本で完結するビジネス需要を狙おうとしましたが、同じスターアライアンスメンバーズのTGやSIAはまだしも、成田乗り継ぎの北米~東南アジア間を1社で完結できるデルタ航空(DL=DAL アメリカ・アトランタ、NYSE上場)に北米への乗り継ぎ需要を奪われるのは御免蒙りたいところでした。

しかも、バンコク線ではユナイテッド航空便が廃止になっており(前記事「ユナイテッド航空バンコク線28年の歴史に幕」参照)、北米から東南アジアへ向かうスターアライアンス系の乗客がNH805便に集中する状況となっていました。このため、NH805便の補完として夕方の早い時間にNH807便を設け、ANA、ユナイテッド航空両社の太平洋線から乗り継ぐお客様を分散させる政策を取ります。

シンガポール線も、従来のNH801便の前にNH845便を運航して、北米大陸からの乗り継ぎ需要を分散させた上で、現地深夜発のNH846便として折り返すプランとします。これにより、既存の成田・羽田便の「たすき掛け運用」に影響を与えることなく、現地の駐機料も最小限に抑えます。このため、増便はANAがボーイング社(アメリカ・シカゴ、NYSE上場)に発注しているB787シリーズの追加機材が順調に納機されることが前提となります。