2014年9月14日日曜日

東京~奄美・沖縄間フェリー廃止!バニラエアが引導?

マルエーフェリー(鹿児島県奄美市)は、沖縄の日本返還直後から40年以上の歴史があった東京~沖縄間の定期カーフェリー航路を12月4日(木)東京出港便限りで廃止すると発表しました。7月に就航したバニラエア(JW=VNL、千葉県成田市)の成田~奄美大島線が引導を渡した形で、今後はトラック専用のRO-RO船を投入、貨物輸送に経営資源を集中します。

マルエーの東京航路は、旧大島運輸時代の1973年(昭和48年)に開設され、当時は東京(有明フェリーターミナル)~奄美大島(名瀬)~与論島~沖縄(那覇新港)というルートで週1回運航していました。その後、寄港地に志布志港(鹿児島県志布志市)を追加したり、与論を寄港地から外すなどの変更はあったものの、一貫して鹿児島県の離島や沖縄県と関東圏を結ぶ長距離フェリーとして運航を続けました。

しかし、 沖縄への旅客輸送の主流は今や完全に飛行機。沖縄返還後数年経つまで、国鉄が鹿児島で沖縄からのフェリーに接続する夜行の本州直通急行列車を残していたなんていう古き良き時代にはもう戻れません。2010年には同系列だった有村産業(那覇市)の破産で長く係留されていた元台湾航路用フェリー『飛龍21』を購入したものの、これは前年の2009年に東京航路用の『フェリーありあけ』を横転事故で失ったことによる代替でした。1990年代には1便当たりの旅客乗船は一桁が当たり前となっており、同じく東京(有明)~那覇新港間を直行で運航していた琉球海運(那覇市)は2002年の段階でカーフェリーを退役させてRO-RO船に移行していました。そして、飛龍21が新造から20年を迎えようとする今年、東京航路にも新造のRO-RO船『琉球エキスプレス2』が就航することになり、マルエーは東京~沖縄間の旅客営業を終了する決定をしました。会社側ではプレスリリースで

「(東京航路の赤字が)基幹である鹿児島航路の維持存続を脅かすことになるためやむなく本年12月7日より休止することになりました。事業休止後につきましては12月13日より内航RoRo船『琉球エキスプレス2が東京~志布志~沖縄間に就航し生活関連物資等の貨物輸送の維持確保と顧客への安全・安心なサービス提供を行う所存です

と述べました。スケジュールとしては、那覇発12月2日(火)、折返し東京発は4日(木)が最後の運航となります。

折しも、バニラエアは旧エアアジアジャパンの時代にも運航した成田~那覇線に続いて、今年7月から成田~奄美大島線を毎日1便就航させており、マルエーの地盤である奄美大島にも浸透しました。鹿児島県の離島や沖縄県と東京を結ぶフェリーで旅客を運んだ時代に幕が下ろされます。

《9月30日まで有効》
JW821 NRT1450~ASJ1715 DAILY
JW822 ASJ1755~NRT2015 DAILY

《10月1日から有効》
JW821 NRT0815~ASJ1055 DAILY
JW822 ASJ1130~NRT1340 DAILY

(機材はエアバス320 エコノミークラスのみ180席)