首都圏バス公団2管区営業所(ミンブリ区)は、2011年秋の大洪水で深刻な被害を受けたバンコク首都圏最東部3区(ミンブリ・クロンサムワ・ノンチョック)の公共交通機関確保に全力を挙げています。洪水当時に救援バスとして運行された路線がそのまま定着したり、民間白バスが再開できなかった路線を引き受けたり。あれから2年、市民の通勤通学の足はどう変わったのでしょうか。
ミンブリとノンチョックの間にはもう1路線、スウィンタウォン通りからマハナコン大学経由の[131]があり、前記事「ミンブリのもっと先へ」でも取り上げました。この路線を2年前の洪水当時まで運行していた民間白バスの車庫はノンチョック区内にあり、車両が水に浸かってしまいました。このため臨時代走という形で公団赤バスが運行を開始したのですが、水が引いた後、民間事業者は再開断念に追い込まれます。そして、あくまでも臨時のはずだった赤バスが引き続きこのルートを運行することになったのです。
一方、ミンブリからクロンサムワ区方面へ北上するルートは、洪水前はバスが運行しておらず、ソンテウに全面依存していました。ラムルッカの運河から溢れた水が区内全域を浸水させるのを見て首都圏政庁は公団に生活の足を確保するようを要請。ミンブリ発ニミットマイ通り経由ラムルッカ行きの救援バスが運行されました。この時のルートを参考にしたのが、[197]です。循環の回り方の違いで2ルート、[B1]と[B2]に分かれています。
逆に、ミンブリからロムクラオ通りを南下してラックラバン区方面へは、[151][8] が運行していますが、こちらでも従来民間が運行していた路線を引き受ける形で[143](ソイハッピーランド~キングモンクットラックラバン大学)が開設されました。ただし、この系統はミンブリ中央市場に入りません。
これらの支線がミンブリのチャトチャック2マーケット前で、バンコク首都圏中心部へ通じる幹線[26][96][514]などに接続。近くの桟橋からは、ワットシーブンルアン桟橋(バンカピ区)で既存のセンセープ運河ボートに接続する市営定期船も運航されています。将来的には、MRTオレンジラインの構想もあるものの、実現までまだ相当の時間がかかりそうで、マイカーを持てない地元住民は公団バスに期待を寄せています。