NTTドコモ(東京都千代田区、東証1部上場)が取り扱う全機種のSIMロック解除に応じるようになってもうすぐ2年が経ちます。SIMロックを解除されてフリーになる電話機の個体数は年々増えていますが、一方で解除されないまま中古市場に出る個体も多く、供給するメーカーにより対応はまちまちです。
元々、docomoでは番号ポータビリティ制度(MNP)で日本国内の他社へ流出する顧客が転出先の会社、特にソフトバンクモバイルでお手持ちの携帯電話機を機種変更なく使えるようにするためにSIMロック解除を依頼すると想定していました。このため初期の2011年春から夏のモデルでは、コンシューマーレベルで無闇に「脱獄」しようとしたり、Android機ではrootを取ったりすることができないように対策されているものがあります。すなわち、転出申請の場でSIMロック解除も同時に行われるという前提で、作業ルーチンが作られているのです。
その例として、シャープ(大阪市、東証1部上場)が製造した『AQUOS Phone SH-12C』では、SIMロックを解除するキーを入力する画面までは自力で辿り着くことができるものの、そこから先はドコモショップで正規にキーを入手しなければ解除できない仕組みになっています。
いつものバンコク・マーブンクロンセンターのサービス店もこれにはお手上げ。
「個体によっては解除作業を強行することで最悪の場合電話機として動作しなくなる可能性がある。タイでのSIMロック解除はするべきではない」
と白旗を上げてしまいました。
(画像2:正規SIMロック解除を行ったSH-12C。キャリアを示す「DTAC」の文字が目立つ)
一方で、『GALAXY Sシリーズ』(サムスン電子)やLGエレクトロニクス(旧LG電子)の『Optimas G』など、製造メーカー自身の手によるグローバル展開が行われる機種では海外でもSIMロック解除ができるケースもあります。