2012年12月8日土曜日

タイ発日本語SNSの先駆者、まさかの突然死

タイ発日本語ブログの草分け「Ban-Bang-Bangkok!」の管理人として知られ、twitterでも最初期から活躍されていた大川公顕(おおかわひろあき)さんが、7日朝、パヤタイ区内の自宅で亡くなっているのが見つかりました。享年50歳。前夜までtwitterやFacebookで仕事の進捗状況を書き込むなど、精力的に活動されていた矢先の急逝で、在タイ邦人社会に衝撃が広がっています。

大川さんと20年以上の付き合いがあった在日タイ人のラワンクルさんが、ご自身のブログ『新・日記のある暮らし』で第一報を報じられています。それによりますと、12月7日朝、ドンムアン空港とランシットの中間のクコット(パトゥムタニ県ラムルッカ郡)にある製造業向けコンサルティング会社「ザ・コンシェルジュ」本社に社長の大川さんが出勤せず、電話しても出なかったためタイ人スタッフが自宅に乗り込んだところ、既に変わり果てた姿となっていた大川さんを発見、所轄のバンスー警察署(パヤタイ区)に通報したとのことです。
タイでは病院以外での死は司法解剖が必要なため、遺体はマヒドン大学付属ラマティーボディ病院(通称ラーマ病院、ラチャテーウィ区)で解剖され、事件性がないことが確認されています。

大川さんは1962年(昭和37年)4月16日、北海道函館市生まれ。国立函館工業高等専門学校を卒業後、日本の某通信機メーカーで約10年の社会人生活を経て1994年、タイ工場の品質管理責任者として着任。2003年からは独立してザ・コンシェルジュを経営されていました。

この間、インターネット界の最先端技術を次々と導入してタイ発の情報発信を行っていました。
中でもtwitterは「go2bkk」のアカウント名を黎明期に取得し、twitterが現在のようなメジャーの地位を得る以前から積極的な書き込みをしていました。そのつぶやき回数は40,000回を超え、在タイ邦人の中でも10本の指に入るくらいの大活躍。亡くなる前日の早朝、

「週末までバンパイン工業団地で監査のお仕事です」

と仕事の進捗状況を書き込み、それを見たフォロワーの方に

「電機関連(ハードディスク、デジカメ、プリンタ)と自動車関連の両方の仕事を持っていた方が良いですね」

とリプライを飛ばしたのが、最後となってしまいました。

一方、『Ban-Bang-Bangkok!』はタイ発の日本語ブログの草分けとして高い評価を得ており、『地球の歩き方タイ編』(ダイヤモンドビッグ社)でも紹介される程の有名ブログでした。しかし最近はtwitterやFacebookに主軸を移す形で更新の頻度が落ちており、SIMフリー版iPhoneやBlackberryの最新機種など、日本では入手困難なスマートフォンの代理購入という半ば仕事の宣伝とも取れる記事が目立つようになっていました。遺稿となった11月22日の更新にも「iPhone5の代理購入受け付けます」と記述されていました。

「深くご冥福を祈ります」以外に、コメントできる言葉が見当たりません…

(12月11日追加)
ラワンクルさんと同じく、15年来の付き合いだった黒どらさんのブログ『勘弁してください』によりますと、大川さんの葬儀は実家のある北海道で行われるため、遺体は近く、タイ国際航空(TG)670便で新千歳空港に運ばれる予定だとのこと。バンコクでのお別れの会は、会社に比較的近いバンケン区内のお寺で遺体に対面する形で行われたといいます。