2012年11月6日火曜日

AMCプレミアムカスタマーへの道がより険しくなる

ANA(NH、東京都港区)は、自社マイレージプログラム「ANAマイレージクラブ(AMC)」の年次ルール改正をまとめ発表しました。上級会員への昇格にあたって、日本航空(JL=JAL)の「JALマイレージバンク(JMB)」と同様に実績の50%以上がANA自社運航便への搭乗だけで達成されなければならないという新基準を全会員に適用します。

AMCの上級会員である「ANAプレミアムカスタマー」になるにあたっては、JMBと違って年間の搭乗回数だけで達成することができません(前記事「修行僧追放!?JALに乗らないと上級会員への道が」参照)。今年、JALはFLY ONポイント対象実績または搭乗回数の50%以上が自社グループ運航便で達成されたものでない場合はJMBクリスタル以上への昇格を認めないという制度を導入し、ANAも最上級の「AMCダイヤモンド」に限って追随していました。JALは上級会員の自社便利用を固めて安定した利用と収入を獲得し、結果的に再建のスピードを速めた形となりました。一方でANAも最重要顧客であるAMCダイヤモンド所持者を囲い込んで離さず、収益につなげさせるという恩恵を受けることができたため、対象を全上級会員に拡大することになったものです。

ランク必要ポイント数そのうち
ANA自社便
利用ポイント
AMCダイヤモンド100,00050,000
AMCプラチナ50,00025,000
AMCブロンズ30,00015,000


※お手持ちのANAカードがワイドゴールドまたはプレミアム(VISA・JCB・ダイナースのみ、プラチナカード相当)の場合、30,000ポイント達成時点で無条件にAMCブロンズ昇格が決まる。ただしこの場合でもプラチナに上がるには自社便利用分ポイントを改めて満たさないといけない

※ANAカードスーパーフライヤーズクラブ(SFC)会員はブロンズを達成できなくてもSFCカードの基本となるプレミアムサービスは利用できる。プラチナ達成時点でSFCへの入会申請ができる点も変更はない。

ANAプレミアムポイントは、日本国内線1マイル当たり2ポイント、国際線は1ポイントが基本です。これでは国内線だけを頻繁に利用するビジネス客が優遇されてしまいますので、国際線で1マイル=1.5ポイントとなる路線を設定します。日本発着のアジア域内路線が対象で、成田~バンコク、ヤンゴン、ホーチミンシティ、シンガポール、ジャカルタ、マニラといったASEAN域内への路線も含まれます。
例えば、成田~バンコク線をエコ割7で搭乗すると

【従来】2868*0.7     =2,007
【改正】2868*0.7*1.5=3,010

で、5フライト(1年間に2往復半)でAMCブロンズの自社便利用ポイントを満たし、5往復でブロンズに昇格できるという計算になります。、

ただし、国内線では特に那覇~宮古線でスカイマーク(BC=SKY)の出方を覗った割引運賃の引き下げが行われており、時期や運賃、やり方によってはSFC目当ての「修行」をしてしまったほうが後々有利になる場合もあり得るので、時刻表やANA SKY WEBの運賃関連の記述をチェックしつつ慎重に考える必要がありそうです。