カタール航空(QR)は、国際航空連合「ワンワールド」に加盟する方針を決定し発表しました。中東系キャリアではロイヤルヨルダン航空(RJ)に次いで2社目となるワンワールドメンバーの誕生で、サウディア(SV、旧サウジアラビア航空)とミドルイースト航空(ME、レバノン国籍)が今年加盟を果たしたスカイチームに次ぐ地盤を獲得。スターアライアンスは他系列に比べて弱い中東地域で、さらに苦しい立場に追い込まれます。
カタール航空は1997年の現社設立以来、地元の業界連絡組織「アラブ航空会社機構」には加盟したもののいわゆる3大アライアンスとは無縁の関係にありました。しかし、2007年のロイヤルヨルダンのワンワールド加盟をきっかけに中東系キャリアもアライアンスとの関係が避けられないものとなっていきます。
そして永遠のライバル、追い付け追い越せの関係にあるエミレーツを出し抜くための最後の手段として、カタールはエミレーツが接近しつつあったワンワールドに自ら加盟するという逆転技を編み出し、ブリティッシュエアウェイズ(BA=BAW)とイベリア航空(IB)の持株会社「インターナショナルエアラインズグループ」(IAG、ロンドン)に秘密裏に交渉を持ちかけたのです。