日本を拠点にしたWebポイントサービスを使って、航空会社のマイレージを貯めている「陸マイラー」の方は読者の皆さんの中にもいるはずです。それらサイトを使って、最も安くマイルを調達する方法を考えてみます。うまくすれば、お手持ちのポイントをすべてマイルに集約して、特典航空券に近づけます。 ブログやホームページのアフィリエイト広告がポイントハブへの払い出しに対応しているなら、この方法を使ってある程度のマイルを無料で獲得することもできるかもしれません。
ただし、日本航空(JL=JAL)とANA(NH)は、マイレージプログラムに登録した住所が日本国内にある「日本地区会員」 であることが前提。登録住所を海外に変更してしまうと、マイル積算ができなくなります。
《JALマイレージバンクへ》
日本航空のマイレージプログラム『JALマイレージバンク(JMB)』の場合、Yahoo!JAPAN(東京都港区、東証1部上場)の「Yahoo!ポイント」から変換するのが最も有利なのですが、Yahoo!ポイントは2013年春にTSUTAYAの「Tポイント」(運営会社:カルチュアコンビニエンスクラブ 東京都目黒区、東証1部上場) と統合し、現在のシステムとしては終了します。従って、他のポイント交換プログラムからYahoo!ポイントへの変換が早ければ年内で終了してしまう可能性もあり、急がなければなりません。
例えば、ポイントハブ大手のPeX(運営会社:KKペックス、東京都渋谷区)からJALマイレージバンクへ直接変換すると、4,000ポイント(400円相当)が100マイルになるので、1マイル当たりの単価は4円ということになります。ちょコム(運営会社:NTTスマートトレード、東京都千代田区)からの変換は、100ポイント(100円相当)が30マイルに変わるので、1マイル当たり3.3円と、Pexより少し有利なレートで可能。
これに対し、Yahoo!ポイントからJMBに変換すると、2ポイント(2円)を1マイルに交換できる、即ち1マイル=2円。Pexから直接変換した時の半額で調達できてしまいます。しかも、Pex→JMBの変換は最大で1ヶ月半かかる可能性があるのに対し、Yahoo!ポイント→JMBの変換は約3週間。Pex→Yahoo!ポイントが1週間でできるので、最高でも1ヶ月で変換が完了します。変換できない制約は、Yahoo!ショッピングのキャンペーンで獲得された限定ポイントのみで、後述する楽天と比べてもまだ有利です。
特に、ネットマイルからJMBに直接変換すると600ネットマイル→100JMBマイルで1マイルあたり6円と非常に不利なため、ネットマイルを愛用されている方はYahoo!ポイントに払い出せば3倍のマイルを獲得できることになります。
ちなみに、Pex→Yahoo!ポイントの変換には手数料500ポイント(50円)がかかるので、例えば10,000Pexポイント(1,000円相当)を変換すると1マイル当たり2.1円という計算。しかし、100,000Pexポイント(1万円相当)を変換すると、2マイル当たり2.01円と圧縮できます。一方、PointExchange(運営会社:リアルワールド 東京都渋谷区、サイバーエージェントグループ)からYahoo!ポイントに変換すると、手数料が5%かかるので、1回に1,000ポイントでも10,000ポイントでも関係なく1マイルあたり2.1円です。従って、PexとPointExchangeの両方に払い出しができるプログラムであれば、Pexに払い出してからYahoo!ポイントへ変換したほうが有利という訳です。
《ANAマイレージクラブへ》
ANAの自社マイレージ『ANAマイレージクラブ(AMC)』は、カードに搭載されているEdy電子マネーの運営会社(楽天Edy=旧社名ビットワレット)をソニーから引き継いだ楽天(東京都品川区、JASDAQ上場)との関係があり、楽天スーパーポイントからの変換が最も有利。こちらもYahoo!ポイント→JMBと同様に2ポイントを1マイルに交換、即ち1マイル=2円ですが、最低50ポイント(25マイル)からの申請。その代わり、変換は遅くとも3日で完了します。
ところが、楽天の規定で提携先からの変換によって獲得されたポイントはAMCマイルに再変換できないとされています。そうなると、他のポイントプログラムから楽天スーパーポイントに集約してもそのポイントは楽天グループ内で消費するしかなくなってしまいます。それでは、他のプログラムを調べるとどうなるでしょうか。
PexからはAMCに直接変換することができ、JMBよりも若干有利なレートが設定されています。Pexの3,500ポイント(350円相当)を100マイルに変換するので、1マイル当たりの単価は3.5円ということになります。
一方、PointExchangeから直接変換すると3,000ポイント(300円相当)を85マイルに変換というレート設定で、1マイル当たり3.53円とPexより若干高くなります。ちなみに同じリアルワールドが運営しているライフマイルからもPointExchangeと同一レートで変換ができます。
《マイレージプラスへ》
ユナイテッド航空(UA=UAL)の「マイレージプラス」に変換する場合は、Pexから直接変換するのが最も有利。4,000ポイントを90マイルに変換でき、1マイル当たり4.4円で調達できます。
PointExchangeからはいったんちょコムを経由してPexに流し込むする必要があり、PointExchange→ちょコムで手数料15%、ちょコム→Pexが10%目減りするため実質25%も減る計算で、1マイル当たり6.38円とPexの1.5倍ものコストがかかってしまいます。
《スカイマイルへ》
Pexからはデルタ航空(DL=DAL)の『スカイマイル』にもポイントを変換できるので、スカイチーム系のマイルに移行したいならPex以外に良い選択肢はありません。こちらもマイレージプラスと同様、4,000ポイントを90マイルに変換でき、1マイル当たり4.4円で購入できる形です。
ポイントハブに取りまとめるポイントを作るには、日本国内にたくさんあるポイントサイトやeコマースサイトを利用しないといけません。次回以降は、それらサイトの攻略方法を考えていきます。