2012年3月24日土曜日

タイからCDMAケータイが消える!国際ローミングも終了

KDDI(東京都千代田区、東証1部上場)と子会社の沖縄セルラー電話(那覇市、大証JASDAQ上場)は、携帯電話の国際ローミングサービス「グローバルパスポート」のうち、自社(au)と同じCDMA2000 1X WINを前提にした「グローバルパスポートCDMA」を一部の国で縮小すると発表しました。タイとニュージーランドで現地の携帯電話会社がCDMAの電波を止めるのが理由で、7月にサービスを終了するとしています。

 タイの場合、CDMA方式の携帯電話サービスを手掛けてきた「Hutch」(正式社名:ハチソンCATワイヤレスマルチメディア、ホイクワン区)が昨年、業界3位のトゥルーコーポレーション(ホイクワン区、SET上場)に買収され、「true move H」(トゥルームーブエイチ)とブランドを変更しました。Hutch末期にインフラ整備を担当していたCATテレコム(ラクシー区)ではCDMAベースでの3Gに完全対応させたものの、true move Hを旗艦として本格的な3Gの全国展開を実現したいトゥルーは、旧「TAオレンジ」の時代から10年以上に渡って手掛けてきたGSMサービスとの継続性・親和性を重視、1X WINを捨ててW-CDMA(NTT docomoのFOMA、ソフトバンクの3Gと同じ)に移行するという判断を行いました。

(画像1:truemoveHのSIMが店頭に並ぶ。3G黎明期のタイ通信界を変える存在になる)

さらに、CATテレコム自身も今年1月から3G携帯サービスCAT my3Gを始めており、バンコク首都圏と中部以外で展開されている「CAT CDMA」もmy3Gに移行する方向で準備が進められています。このため、CATテレコムとトゥルーで協議の結果、タイでは万年下位に喘いできたCDMA 1X方式を取りやめる方向が決定。true move H の新インフラ移行により着実にユーザーが減っているとして、6月いっぱいでHutch以来10年間運用されてきた1X WINの電波を止めることになったものです。

CATテレコムとトゥルーでは、6月30日24時(タイ時間)をもって1X WINの電波をストップすると海外のローミング相手キャリアに通告。連絡を受けたKDDIは、CDMAの電波が止まった後もtrue moveの2G・3Gサービスで引き続きローミングを提供するとしています。ただし、CDMAと2G(GSM)の2種類の電波を受けられるグローバルパスポートGSMに対応している機種でなければなりません。

2011年10月以降にauが販売したiPhone4Sは1X WINとW-CDMA、GSMのすべての電波形式に対応しており、まったく問題なく利用できますが、2011年4月以降に販売した全機種をFOMA/GSM両用とし4G(Xi)とのトリプル機もラインナップしているdocomoと違い、auでは現行品として販売されている2011年冬モデルでもGSMに対応していない機種がかなりの数ありますので、タイにお越しになるauユーザーの皆さんは、十分注意して機種を選択しないといけません。

(画像2:CDMA 1X専用電話機の在庫処分が始まった!)