バンコクとシラーチャレンチャバンの2つの日本人学校を運営する「泰日協会」(パトゥムワン区)は、今回の洪水被害でバンコク校に通っている児童・生徒の5人に4人が避難生活を強いられたと発表しました。被害の危険性を考慮した臨時休校は既に1ヶ月近くに達しており、子供たちの将来にも影響を及ぼしそうです。
(画像:泰日協会学校本校前にも土嚢が。在バンコク日本大使館のアルバムから転載しました)
ある駐在員の男性は、
「息子を日本人学校に行かせていて、シラーチャレンチャバンへの緊急編入を考えたもののアパートが確保できず、やむを得ず日本に帰した」
と語ってくれました。

「学校へ通い得る場所に住所を移した場合は相談に乗る」
と発表。シラーチャ郡やレンチャバン郡、パタヤ市などに避難先を確保した40人程が緊急編入を認められ、12月下旬の2学期終了までの予定でシラーチャでの授業を受けています。
ですが、シラーチャレンチャバンは日本人駐在員の街とはいえ、バンコクに比べればホテルやサービスアパートは絶対数が少なく、なかなか部屋を確保できません。10月の終わり、渡航延期勧告が出た頃には、既にシラーチャ市内の主要なサービスアパートは満室になっていました。別の企業に勤める男性は
「会社がレンチャバンに避難することになって、日本人学校に行っている娘を緊急編入させようか迷った挙句、部屋が取れなかったこと、取れたとしても12月までシラーチャにいないといけないという規定がネックになって断念。バンコクに残している」
と述べました。
バンコクを後にした日本人学校の児童・生徒は2,000人以上に上り、その大半が日本の留守宅や、両親の実家などに身を寄せています。学校側では、在外の日本人学校に所属する生徒が一時帰国の際に留守宅や実家などの最寄の公立小中学校に受け入れられる「体験入学」の制度を使い、休校が解除されるまで日本で学校に行かせることを推奨していますが、それが徹底しているかは未知数です。体験入学は受け入れ先の学校が了承していないと、学校に提出する「申出書」を書くことすらままなりません。地元の小中学校が受け入れてくれるかどうかは、親御さん自身で問い合わせるか親族に依頼するなどして、確認しなければなりません。このため、とりあえず避難はしたけど学校に行くメドが立たない、本屋さんで参考書やワークブックは買えるけど通信添削や模試が受けられず、自分の学力がどのレベルにあるかわからないというこどもも多くいるとみられます。
文部科学省初等中等教育局国際教育課は、帰国中の泰日協会学校の児童生徒が全員スムーズに体験入学できるよう、全国47都道府県の教育委員会に指示をしたと、読売新聞が5日付で報じました。
バンコクに残ったり、補習授業校のあるチェンマイやプーケットに行っているこどもたちは、学校のホームページに掲載されている各学年ごとの自習課題に目を通し、休校が解除されるまでの間の勉強を続けるよう指示されています。