外務省領事局海外邦人安全課は27日夜、バンコク首都圏と近隣の5つの県に「渡航の延期をお勧めします」の安全情報を出しました。
対象となるのは次の各県、いずれも全域です。
・バンコク首都圏(全50区)
・ノンタブリ県
・パトゥムタニ県
・アユタヤ県
・ナコンパトム県
・サムットサコン県
また、今回の渡航延期勧告には含まれていませんがTraveler's Supportasiaでは次の県についても「渡航の延期をお勧めします」ないしは「渡航の是非を検討してください」相当の警戒態勢をとる必要があると判断し、独断で安全情報を出します。
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・サムットプラカン県(サムットプラカン市、プラプラデーン郡、プラサムットチェディ郡) :
いずれもチャオプラヤ川の河口に面していて水が溢れる危険あり
・サムットプラカン県(バンプリ郡、バンサオトン郡、バーンボー郡):
バンコク首都圏(バンナー区、プラウェート区、ラックラバン区)やチャチュンサオ県のバンパコン川流域地帯に広く接している
・チャチュンサオ県(チャチュンサオ市、バンナムプリアオ郡、バンパコン郡、バンポー郡):
バンパコン川流域でラムルッカ地区からセンセープ運河などを通じて東に回された洪水が流れてくる。特にチャチュンサオ市とバンナムプリアオ郡の西部はバンコク首都圏ノンチョック区やパトゥムタニ県ラムルッカ郡に接しており直接的な影響を受ける。
サムットプラカン県にはトヨタ自動車の商用車生産の世界的拠点となっている「TMTサムロン工場」があり、日産自動車も小型車「マーチ」の生産を行うバンナー工場があります。またチャチュンサオ県にもトヨタの工場が2ヶ所(バンポー工場とゲートウェイ工場)あります。両県に渡航の延期が勧告された場合、両社の駐在員が全員帰任となり、大変なことになるため経済界の圧力で対象地域から外されたのではないかという穿った見方もできなくはありませんが、在バンコク日本大使館邦人保護部はふくちゃんの電話取材に対し
「特定企業からの圧力で安全情報の対象地域が変わることはない。今回の対象地域以外についても安全情報を出すべきか、状況を注視している」
と述べました。
また、在バンコクの各国大使館も在住外国人向けに安全情報を出しており、香港特別行政区政庁では「赤色警報」(日本の「渡航の延期をお勧めします」に相当)を出している他、シンガポール外務省は自国民に対し、スワンナプーム空港が閉鎖になる前に脱出するよう呼びかけました(日本の「退避を勧告します」に相当)。
エイチ・アイ・エスバンコク支店を運営する現地法人「HISツアーズ」(ワッタナ区、前記事「ビジネスエア成田便の座席販売始まる」参照)は、この秋の運航を11月6日までの予定としていたビジネスエア(8B)の成田便について、超破格料金に引き下げて本国へ退避する駐在員家族やバックパッカーの便宜を図っています。11月2日(水)までの出発を前提に、片道で追加燃料費など諸掛を含めた支払い総額7,600Bt.(19,000円)としており、既に予約が殺到しています。
TEL 02-264-6888