2010年9月30日木曜日

武富士倒産でもクレジット兼用カードはまだ使える

消費者金融国内4位の武富士(東京都新宿区、東証1部上場)は28日、東京地方裁判所民事部に会社更生法に基づく手続きの開始を申し立て、事実上倒産しました。負債総額は4,336億円。ただし、今後行われる債権申し立ての状況次第で、最悪の場合には負債総額が2兆円を上回る可能性もあり、1月の日本航空と並ぶ超大型倒産になります。


武富士では、2000年以降だけで4種類のカードを発行してきました。日本国内だけで使えるキャッシング専用カード「Yenカード」「ベネシアカード」、そして2002年から発行を始めたクレジット兼用の「TAKE BIG SEVEN MasterCard」「ベネシアMasterCard」です。大手銀行系などのクレジットカードを持っていても、例えば法人カードを簡単には出せない海外の風俗店や、ネット通販で使うための2枚目のカードとして、TAKE BIG SEVEN MasterCardを持つ人もいました前記事「海外キャッシングができないクレジットカードの活用」参照)

武富士では、昨年11月以降は国内キャッシング部門の新規顧客獲得を取りやめに近い状況にしていました。既存の顧客についても、改正貸金業規制法の完全施行を見据えて貸し出しを細らせるため、「出金停止」の措置を取って返済のみの利用とさせるケースが目立っていました。しかし、TAKE BIG SEVEN MasterCard、ベネシアMasterCardのショッピング機能については、機能停止になったとの報告はなく、特に海外では通常通り使えていました。

《お手持ちのカードは?》
Yenカード、ベネシアカードは、昨日28日の午後に東京地裁が保全命令を出した時点で、過去に出金停止がかかっていなかった方も含めてすべてのお客様について、新規の出金ができなくなりました。現在は、日本国内の武富士の支店、無人店舗併設のATM、セブン銀行などの提携ATM、コンビニで返済のみの受付となっています。

ただし、倒産したからといって過去の残高に対する返済義務がなくなるわけではありません。会社更生法の規定によって届け出が行われる更生債権(会社にとっては債務)を処理するための原資は、現在と未来の営業収益によって稼ぎ出されます。武富士にとって更生債権は過去の過払い利息。それを処理するために稼がなくてはならぬ収益というのは、既存顧客が払う元金と利息以外にないということを忘れないでください。

《クレジット機能はリスクを考えて》
TAKE BIG SEVEN MasterCard、ベネシアMasterCardのショッピング機能については、29日の午後の時点でも海外では通常通り使用できます。MasterCard Worldwideや日本国内のクレジットカード他社から、武富士発行のカードを一律に使用できなくしたとの報告はありません。

しかし、日本国内のネット通販では武富士発行のカードで新規登録することができなくなっている他、Yahoo!オークションでは一件5,000円以下の小口の落札代金支払いに限り使用できるとの報告もありました。海外でも、特に日系の旅行代理店では今後、武富士発行のカードを受け付けなくなる動きが出てくる恐れもあります。いつどこで使えなくなってもおかしくはありません。そのことを考慮の上で、既存の残高については帰国後の一括支払いも覚悟、定期的な支払いをされている方もお手持ちの他のカードに移行するなどして、新規の利用額を徐々に減らすようにしてください。

(この項、田舎っぺオヤジさん/ディンデン区 からの投稿です)
タイの場合、VISAとMasterCardの決済処理は翌営業日に行われます。加盟店としてはカードを処理する「CAT端末」と呼ばれる機械に、武富士発行のカードをかけて承認が下りてしまえば、翌日午後にはその分の売り上げが現金化されてきますし、もし使えなくなってもCAT端末の表示でわかるので営業に支障はないのです。その後は発行会社とVISA、MasterCard WorldWideの間の問題になります。