情報誌大手のリクルート(東京都中央区)は、アルバイト情報誌の草分け的存在として親しまれた「FromA(フロム・エー)」を、来週3月30日(月)発売号をもって廃刊とします。日本に帰国したバックパッカーが仕事探しの時必ず1度は読んだであろう名物雑誌も、時代の変化で存在自体が中途半端になっていました。
2000年、リクルートはFromAの掲載内容を地域ごとに細分化した形のフリーペーパー「TOWNWORK(タウンワーク)」を創刊、東京都内で配布を開始します。これが大当たりして全国主要都市に拡大。1冊で地方全体をカバーする商業誌というFromAの意義は徐々に縮小されていきます。そのうち、フリーペーパー形式でも東京都内全域をカバーする「DOMO首都圏版」(アルバイトタイムス)が出て、商業誌としての存在意義は失われていきました。FromAに掲載されていた特集記事は2004年創刊の週刊総合フリーペーパー「R25」に事実上移行、そしてインターネットも今では「タウンワークネット」が完全に主流。FromAの名前を冠した「FromAnavi」はすっかり取って代わられました。
2007年3月、AtoZの流れを汲んでいた「FromA Blue」が廃刊になり、週1回の発行に戻されます。その後もリクルートはFromAとタウンワークの両立を模索しましたが、そこへリーマンショック以降の景気低迷が襲い、求人自体の件数が減る中で、商業誌のスタイルを貫いたFromAを買ってまでバイトを探そうという人は減り、FromAをわざわざ選んで出稿する会社もほとんどなくなりました。
4月以降に帰国予定のバックパッカーの皆さん。アルバイト情報誌はもう、コンビニや駅売店で買う時代ではありません。東京・大阪に着いたら、駅の配布ボックスに直行!
(3月27日追加)
「ガテン」はパソコン向けホームページでの情報提供を今後も行わないことを条件に、商業誌として存続されます。