タイの航空業界がどの会社もピンチに陥っています。最大手のタイ国際航空(TG)ですら、一歩間違えば重大危機になりかねない状況。我々利用客側からしたら今こそが、タイ国籍の航空会社を見直すチャンスです。
昨年7月には$200近くまで達したジェット燃料価格の値上がりと、その後の急速な値下がり、スワンナプームショックも重なって、利用者が激減しています。タイ国際航空は、2008年12月期決算が100億Bt.を超える赤字となり、手元流動資金不足を解消するため、今年納機予定だった大型ジェット旅客機「エアバス333」8機の代金支払いを、3ヶ月待ってもらうようメーカーのエアバス社宛に申し立てました。その上で、タイ国内の3つの銀行(オムシン銀行=貯蓄金融公庫、イスラム銀行=イスラム投資金融公庫、タイパニ=サイアムコマーシャル銀行)に緊急融資を要請しています。
一方で会計検査院では、タイの国家公務員が出張で飛行機に乗る際、TGが就航している都市にはTG便で行くことを義務付ける規定を厳格に適用すると述べました。例えば成田行きですと、TG以外に5社が直行で飛んでおり、安いからとデルタ航空(NW)を選んだり、サービスがいいからとシンガポール航空(SQ)に乗る人と様々。これだけで年間10億Bt.もの収入が、TGから離れていっていると指摘しています。
TG、バンコクエアウェイズ(PG)の上位2社はまだしも、それ以外の中小、格安航空会社に至っては深刻です。元気なのはタイエアアジア(FD)だけ。

2008年にはスカイスター以外に新規参入の免許を取得した会社が5社ありましたが、どの会社も免許取得後1年以内の定期運航開始という条件を満たせず、許可が失効しました。インドネシアから合弁会社を設立する形で殴りこみを予定していたライオンエア(JT)は、「世界経済の回復基調が明白になるまで」タイへの参入を延期すると発表しています。
現在、TGは3月31日までの出発を条件とするプロモーション価格を国際線全路線に用意しています。例えばバンコク発券の日本各都市(関空、中部、成田、福岡)行きでは1ヶ月FIX、マイレージ加算不可ながら諸税込みで20,000Bt.(53,000円)でお釣りが来ます。
もちろん、月刊Gダイアリー(アールコスメディア)連載「旅のカラクリ」で麗仁さんが指摘されていた、シンガポール発日本各都市行きの1年オープン航空券も健在。この航空券は、往復ともにバンコクでストップオーバーができ、それでいてバンコク~日本各都市間の通常の1年オープンとそんなに変わらない値段という極めて有利な条件ですので、出張のついでに買ってこようという駐在員さんやBビザ更新をシンガポールにして、という現地採用の方もいるはずです。
今度の出張は、TGの直行便でスマートに、快適に済ませませんか?