ANA(NH)は、12月までの予定で日本国内線のすべての空港に新型の自動機械を配備して、紙の航空券を一掃する計画を進めています。が、特に海外在留の邦人が一時帰国する際には、大きな落とし穴が待っていることもわかりました。ANAバンコク支店の協力を得て、確認に取り組みました。
《有人でのチェックインが必要な航空券》
以下の種類の航空券は、保安検査場へ進む前に空港の有人カウンターで「航空券ご利用案内書」と交換しなければなりません。
・ANA、またはスターアライアンスメンバー各社の国際線からANA国内線へ通しで発券された航空券
(対象運賃)
エコ割・ビジ割(ANA国際線の出発都市以外から乗り継ぎの設定がある場合)
海外で設定されている格安航空券
他のスターアライアンスメンバーの国際線とセットで出された特別乗継割引運賃
→国際線のeチケット領収書と、国内線の航空券は形式が違います。国際線のeチケット領収書には国内線部分の搭乗に必要になるQRコードはついていません。
エコノミークラス普通運賃に限らず、格安航空券でも設定がありますし、日本発券の「エコ割」でも地方都市出発、かつeチケットで発券すれば該当しますので注意が必要。
(例1) バンコク(NH)成田(NH)名古屋
また、スターアライアンスメンバーないしはANA提携社とのコードシェアで、国内線部分が他社便名になっている場合は尚更です。
(例2) ロンドン(QR:カタールエアウェイズ)ドーハ(QR)大阪(コードシェアのQR便名)羽田
・海外で設定されているエアパスを利用した
(対象運賃) スターアライアンスVISIT JAPANエアパス
→スターアライアンスメンバー他社の国際線で日本に入国後、ANA国内線を使って5区間まで周遊できるエアパスが海外で販売されています。しかし、この航空券にも新型自動機での搭乗に必要なQRコードはついていません。
(例3) バンコク(TG)名古屋(NH)福岡(NH)羽田(NH)関空(TG)バンコク
・国際線周遊運賃の一部区間としてANA国内線が絡む
(対象運賃) スターアライアンス世界一周
スターアライアンスサークルパシフィック
スターアライアンスサークルアジア
ヴァージン vs ANA世界一周
→この種類も、国際線の航空券形式で発券されてきますので該当する航空券を切り離してもらわないといけません。
(例4) (前略)ソウル(OZ)福岡(NH)関空(UA)サンフランシスコ(後略)
《AMCカードの種類によっても》
・AMC一般カード(Edyなし)しか持っていない
→AMC Edyカードへ切り替える必要があります。この切り替えは海外地区会員(日本以外の住所で登録している)でもOK。海外地区会員がAMC Edyカードに切り替える場合は、最寄のANA支店に連絡して手続きをします。
・お手持ちのANAカードが法人カードになっている
→個人会員のANAカードには、原則としてEdyの機能が付いていますが、法人会員カードにはありません。
・海外発行のANAカードを持っている
→アメリカ・香港・中国ではANAカード(クレジットカード)の発行も行われていますが、これら海外発行のカードには日本発行のものと違い、Edyは当然付いていません。
・AMCゆうちょカード、ANAゆうちょ共用カードを持っている人は?
→「AMCゆうちょカード」と、クレジットカード版の「ANAゆうちょ共用カード」は、JP BANK ゆうちょ銀行(旧郵便貯金)のキャッシュカード機能がついたもの。ただし、日本郵政公社からゆうちょ銀行へ移行する直前、7月31日限りで新規の発行受付を終了しており、現在は取得できません。
このカードには、Edyの機能がつけられません。AMCサービスセンターに連絡して、Edy機能を使うためのAMC Edyカードを請求しないといけません。AMC Edyカードが送られてきたら、Edy利用マイルがAMCゆうちょカードのマイル口座に貯まるように、統合の手続きを取ります。
そして、スキップ搭乗とEdy電子マネー利用はAMC Edyカードで、その他のサービスはAMCゆうちょカードでと、2枚のAMCカードを使い分ける必要があります。