2021年1月22日金曜日

185系退役で『MLながら』廃止決定

JR東日本横浜支社(横浜市西区、東証1部上場)とJR東海(名古屋市中村区、東証1部上場)は、旧国鉄時代から維持されてきた東海道線の臨時夜行快速列車『ムーンライトながら』(東京~大垣)の運転を終了(廃止)すると発表しました。これにより東海道線の夜行列車は、寝台特急『サンライズ瀬戸・出雲』が残るのみとなり、同時に『青春18きっぷ』利用者は乗り継ぎ行動の変化を求められます。

MLながらの前身の長距離普通列車(通称『大垣夜行』)は、旧国鉄時代の1968年(昭和43年)、それまで運転されていた急行『ながら』(東京~大垣)を普通に格下げ、また東海道線最後の客車普通列車(『143/144レ』、東京~大阪)を統合する形で誕生しました。当時は『ドリームなごや』(JR東海バス)や『ドリーム大阪』(西日本JRバス)が開設される前で、東名間、東阪間の長距離移動手段は事実上鉄道しか無く、飛行機は物価的に極めて高額でした。しかも東海道新幹線の開業に伴い廃止される運命にあったものを石田礼助総裁(当時)が覆し、存続させたといわれます。

以後、急行『東海』(東京~静岡)と同じ急行形電車使用で維持され、1980年代以後は『18きっぷ』『鉄道の日記念JR全線乗り放題きっぷ(現・秋の乗り放題パス)』の登場に伴いその利用者にも親しまれてきましたが、1996年(平成8年)にJR東海が新型の特急用電車を投入したのを機にMLながらにリニューアル。一部区間で全車指定席制度を導入してサービス改善を図りました。この頃には、並行する高速バスはそれなりに発達していたものの、関東と静岡県中西部を結ぶ夜行便がないなどの理由でまだまだMLながらの乗客は多く、18きっぷシーズンには指定席券がプラチナチケット化し、JR東海は急行形電車による『臨時大垣夜行』(9375M/9372M、品川~大垣)を頻発させていました。

2000年代に入ると、高速ツアーバスの規制緩和によって鉄道からバスへの転移が本格的に始まり、JR東海子会社のJR東海バス(名古屋市中村区)は2004年、『京阪神ドリーム静岡号』(静岡駅~大阪駅)の運行を開始。続けて2005年12月22日、『ドリーム静岡・浜松号』(東京駅~浜松駅)を立ち上げます。新幹線が運転していない深夜に静岡市、浜松市と首都圏・近畿圏を結ぶ役割に強力なライバルが現れ、MLながらの毎日運行に陰りが見えてきます。

JR東海バスの攻勢を見たしずてつジャストライン(静岡市葵区)と遠州鉄道(浜松市中区)も首都圏への高速バス運行に参入し、MLながらから乗客を奪っていきました。

こうして、2009年3月14日の全国ダイヤ改正で定期運行が終了、18きっぷシーズンを中心とした臨時運行に変わります。臨時運行では、秋の『鉄道の日きっぷ』販売期間の運転が無くなり、救済臨改め『MLながら91・92号』も、同年12月の『コミックマーケット77』への輸送を最後に運転されなくなりました。

そして、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による緊急事態宣言で2020年3月29日を最後に運休となってしまいます。2021年1月の2度目の緊急事態宣言によって国民の行動様式に決定的な変化が生じたことが最大の理由ではあるものの、2009年から使ってきたJR東日本の特急形電車
『185系』が新造から40年を経て老朽化し3月13日のダイヤ改正限りで退役決定となったため、このタイミングで終了を発表することにしたとJR東日本では説明しています。