[29]はBTSラップラオ5差路駅(チャトチャック区)とZEERランシット(パトゥムタニ県ラムルッカ郡)の間を、ウイパワディランシット通り経由で走る路線です。ドンムアン空港すぐ前のバス停からBTSモーチット駅や遠くMBKセンター、ファランポーン駅(パトゥムワン区)まで乗り通す外国人旅行者も多く見られ、古くはジミー金村さんが『バンコクカオサンプー太郎読本』(双葉社)の中で取り上げた路線の一つでした。また公団赤バス以外に、民間委託の白バスも走っており、チャトチャック区やラクシー区、ドンムアン区といった首都圏北部と中心街を結ぶ重要幹線として多くの市民に利用されてきました。
2010年に民間バスの新規事業者『プレミアムマネジメント』が参入したことで公団の運行は縮小し、2013年には[A1](モーチット駅~ドンムアン空港)の登場で空港直行の利用者がそちらへ流れ出します。ウイパワディランシット通り周辺には公団のみが運行する他路線として[59][510]があり、また空港東側のパホンヨーティン通り経由でモーチットとランシットを結ぶ[34][39][503]などの路線も充実。2021年にはMRTレッドラインの開業も控えているため、[29]を民間に任せても影響は少ないと判断した模様です。11月1日以降は、民間委託バス最大手のスマートバス(チャトチャック区)が全便を担当します。公団が[29]から撤退した後、ドンムアン空港前を通る赤バスは[59](ランシット~バンケン車庫~王宮前広場)[95ก](ランシット車庫~ソイハッピーランド)の2路線だけとなります。どうしても赤バスでモーチット駅や戦勝記念塔(ラチャテーウィ区)まで行きたい場合は[59]の一択となり、戦勝記念塔から先のMBKやファランポーン駅へはバンケン車庫やBTS第11軍管区前駅で[34]に乗り換えが必要です。なお[59]は第11軍管区前駅で、[95ก]はワットパシー駅でBTSパホンヨーティン線に乗り換えができます。