
日本の植民地支配が始まった後に朝鮮半島はUTC+9の日本標準時に合わせられ、光復し共和国が創建されてからも、標準時子午線が自国を通っていない場合は一般的に東側にある(最寄りの)子午線を使うという国際慣例に従って東経135度子午線基準の日本標準時を適用してきましたが、2015年(主体103年)8月、
「光復70年の節目に際し民族の受難の歴史に終止符を打つ」(当時の最高人民会議常任委員会声明より)
という理由で大韓帝国時代と同じ東経127度30分基準の『平壌時間』が、共和国創建後初めて導入されました(前記事「北朝鮮が独自の標準時に移行!日本・韓国と30分ずれる」参照)。
しかし、4月27日、文在寅(ムンジェイン)韓国大統領との南北首脳会談に臨むため板門店(黄海北道開城市)を訪れた金正恩(キムジョンウン)委員長は、
「ソウルと平壌、2つの時計があることは分断の証で心が痛い。時刻を先に統一しないといけない」
と文大統領に対して述べ、韓国(南朝鮮)と同じUTC+9に戻す意向を表明しました。UTC+9になることで、韓国・日本とは時差が無くなり、逆に中国以西の国に対しては時差がこれまでの30分から1時間になります。
外国人旅行者への影響としては、平壌・順安空港を発着する航空便の発着時間が現在よりも30分早い表記になるほか、海外向けラジオ『朝鮮の声放送』を含むすべての放送の運行が現在よりも30分早くなります。ただどちらも、2015年8月以前の表記に戻るだけのため影響は少ないとみられます。