フィリピン司法省入国管理局(BI:マニラ首都圏マニラ市)は今日10日から、COVID-19ワクチンの接種を2回以上完了することを条件に、外国人観光・ビジネス客の受け入れを正式に再開します。
フィリピンは、今回のCOVID-19パンデミックに際し、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領の強力な指導の下、世界でも有数の厳しいロックダウン(外出禁止)を敷いてきました。ウイルスが2020年に猛威を振るったアルファ株から2021年のデルタ株、2022年のオミクロン株と進化を続ける中、フィリピン経済の2本柱である観光産業とフィリピン人の出稼ぎが共に激しく疲弊してしまい、一刻も早い「開国」が待ち望まれるようになったといわれています。
しかし2022年に入り、デルタ株の終息を待って観光産業を再開しようとしたところへオミクロン株の流行が襲い、「開国」は事実上、延期されてきました。
今回、日本ではまだまだオミクロン株が猛威を振るっていますが、先に流行が進んだ東南アジアでは徐々に下火になってきており、タイに続いてフィリピンも開国を決めたことで、東南アジアへにおける人と物の移動が、パンデミック以前の状態へ戻っていくのではないかと期待されています。
フィリピンがビザなし入国を認めているすべての国からの観光・ビジネス客は、COVID-19ワクチン(コミナティ/ファイザー、オックスフォードAZ/アストラゼネカ、モデルナなど)を2回接種したことを証明する書類ないしはスマホアプリ(ワクチンパスポート)と、PCR検査陰性の結果証明書を入国審査の際に提示すれば、以前同様に30日の入国許可が与えられます。検疫所指定の隔離施設に入る必要はありません。これに伴い、各航空会社は日本とフィリピンの間の国際線を順次再開していきます。日本航空(JL=JAL)、ANA(NH)、フィリピン航空(PR=PAL)のフルサービスキャリア3社は東京(成田・羽田)~マニラ線を毎日1便以上に戻しており、そのうちフィリピン航空は関空~マニラ線も毎日1便運航を復活させました。LCCのセブパシフィック(5J=CEB)も3月には成田・中部セントレア~マニラ線を週3便ずつに復便。3月末からの夏スケジュールでは週4便以上にし、需要の回復を当て込みます。コロナ前に運航していたLCCのジェットスター・ジャパン(GK=JJP)とフィリピンエアアジア(Z2=APG)も将来の再開を目指しています。